【設立背景】
現代社会は少子高齢化と人口減少を背景に、「成長」の時代から「成熟」の時代への転換が必要であるといわれている。このような中で、ひとびとは豊かな生活のあり方を模索している。そこで、われわれはスポーツ活動・文化活動への多様な関わり方を通して新たなライフスタイルを提案する。
また、生活習慣や生活環境の変化により、ひとびとの関心事は「健康(Health)」へと向かっている。しかし、われわれは単なる身体的・精神的な健康だけではなく、クラブライフを通じて日常の生活を見直す機会を提供し、「健」やかで「幸」せな暮らしのあり方を提案し、市民生活の「健幸(Well-being)」づくりに貢献する。 さらに、現代の青少年は「ひきこもり」や「いじめ」など、さまざまな問題を抱えるようになっている。そこで、われわれはスポーツ活動や文化活動を通して、青少年が目標を持ち、それに挑戦する気持ちを引き出し、クラブの仲間とコミュニケーションをとることによって社会性を身につける場を提供することで、彼らの健全育成に寄与する。
一方、これまでスポーツ活動や文化活動は、独自にそれぞれの価値を追求してきた。それゆえに、ある面閉塞し、形骸化している傾向にあるともいえる。そこで、われわれは総合型クラブの特徴を活かし、スポーツ活動と文化活動を融合したイベントミックスを企画し、新たな文化の創造を促進することを目指す。
最後に、地域社会における「孤立化」が現代社会の解決すべき大きな課題であると認識している。そこで、われわれはクラブ活動を通じて、大学のもつ知財(科学的知見)・人材(指導者、学生)・資財(施設)を地域社会との連携の中で最大限に活かし、地域社会への理解を深めるとともに、その活性化につなげる。
以上の社会的なミッションを達成するためには、市民と連携し、自発的かつ非営利で行う社会的公益活動として、特定非営利活動法人格を取得し、自立的で継続的な活動を進めることが不可欠であると考え、関西大学カイザーズ総合型地域スポーツ・文化クラブを設立する。
【設立までの経緯】
これまで関西大学では、学生の自主活動であるクラブ活動において、子どもたちや地域の人を対象として、スポーツイベントやスポーツ教室、文化イベントなどを、社会貢献活動として企画・開催してきた。また、企業と連携したスポーツイベント等も行ってきた。さらにスポーツ活動、文化活動にとどまらず、清掃活動などの社会貢献活動も実施してきた。しかし、これらの活動は、それぞれのクラブが単独で行なってきたこともあって、単発的で、継続性にかけていたと言わざるを得ない。
そこで、これまでの実績を踏まえ、さらに継続・発展させるために、2014年7月に「関西大学カイザーズクラブ設置検討委員会」を設置し、スポーツ活動および文化活動に関する専門家、体育会・文化会の関係者、社会連携の専門家等の大学関係者と検討を重ね申請に至った。