18-3:「自分で課題を見つける力を養う」

18週目:主体性を育む
【目 標】
フットボールは、コーチやリーダーの指示を待つだけでは勝利できない。
自ら考え、行動し、責任を持つ「主体性」がチームの成功には不可欠である。
自ら考え行動することで、プレーの質が向上し、チームへの貢献度も高まる。
試合や日常の中で主体的に動ける個人であることを目指す。

18-3:「自分で課題を見つける力を養う」
コーチやリーダーに言われる前に、自分で課題を見つける・練習をする。
練習や試合を振り返り、改善点をリストアップする。
チームの課題を自分ごととして捉える意識を持つ。
チーム全体の課題を改善するため、自分ができることを考える。
日常生活の中で自己改善のための課題を見つける方法を学ぶ。
課題に対して行動を起こすための優先順位を決める。

「自分で課題を見つける力を養う」について考えます。
主体性を持つためには、指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、解決に向けた行動を取ることが重要です。
フットボールは、個人とチームの両方の課題が絡み合うスポーツであり、自分の改善点だけでなく、チーム全体の課題を考える力も必要になります。試合や練習、日常生活の中で常に成長の機会を見つけ、優先順位をつけて行動することで、より高い競技力とリーダーシップを身につけることができます。

1.コーチやリーダーに言われる前に、自分で課題を見つける・練習をする

主体的に課題を見つけ、改善に取り組む選手は、成長が早い。
コーチやリーダーからの指摘を待つのではなく、自ら自分の弱点やチームの課題を把握し、それを克服するための行動を取る姿勢が求められる。

練習後、試合の映像を自ら見直し、パス精度や動きのズレを分析し、次の練習で改善点を試すQB。
ディフェンスの選手が、タックルの決定力を高めるために、自主的にフォームチェックを行い、コーチに相談する。
キッカーが、試合でのキック精度を上げるため、練習の前後に追加のキック練習を自主的に行う。

主体性のある選手は、待つのではなく、自らの課題を発見し、改善に向けて行動を起こす。
自己分析の習慣を持つことで、スキルアップのスピードが格段に向上する。

2.練習や試合を振り返り、改善点をリストアップする

試合や練習の振り返りは、次のステップへの準備となる。
成功したプレーだけでなく、ミスや課題を分析し、次に向けた具体的な対策を考えることで、成長のスピードが加速する。

試合後に自分のプレーを振り返り、成功したプレーと失敗したプレーを書き出し、それぞれの要因を分析するLB。
チーム全体で試合映像を見直し、オフェンスとディフェンスの改善点をリストアップし、次の試合に向けて戦略を練る。
パスキャッチミスが多かったWRが、練習でのキャッチ成功率を記録し、改善策を考える。

プレーの振り返りを通じて、課題を明確にし、次の試合や練習で意識的に取り組むことで効率的な成長が可能になる。

3.チームの課題を自分ごととして捉える意識を持つ

個人の成長だけでなく、チーム全体の課題を意識し改善のために貢献する姿勢が大切である。
チームスポーツでは、各選手の意識と行動が連鎖し、全体のパフォーマンスに影響を与える。

ディフェンス全体のコミュニケーション不足を感じた選手が、試合中の声掛けを増やすことを提案する。
OLのブロック精度向上のため、選手同士がフィードバックを出し合い、練習の質を高める。
スペシャルチームのプレーが不安定なことに気づいたリーダーが、追加のミーティングを提案し、改善点を話し合う。

チームの課題を自分ごととして捉え、主体的に解決策を考えることが、勝利に直結する。
個々の意識がチームの成長を促進する。

4.チーム全体の課題を改善するため、自分ができることを考える

チームのパフォーマンスを向上させるためには、全員が主体的に行動し、それぞれの役割を果たすことが不可欠である。
自分にできることを考え、積極的に貢献することで、チーム全体の士気も向上する。

リーダーシップを発揮し、練習前のアップを率先して行い、チームの集中力を高める。
チームメイトの課題に気づいた選手が、個別にアドバイスを送り、改善をサポートする。
試合の準備が遅れがちなチームに対し、スケジュール管理を強化するための提案をする。

チームのために何ができるかを考え、主体的に行動することで、全体のレベルアップが期待できる。

5.日常生活の中で自己改善のための課題を見つける方法を学ぶ

競技だけでなく、日常生活の中にも成長のヒントが隠されている。
自己管理能力やメンタルの強化など、日常的な習慣を見直し、より良い選手になるための課題を見つける力を養うことが大切である。

睡眠や食事の管理を徹底し、試合や練習のコンディションを最適化する。
集中力を高めるために、スマホの使用時間を制限し、勉強や戦術分析の時間を増やす。
試合前のルーティンを確立し、精神的な安定を図ることで、本番でのパフォーマンスを向上させる。

競技外の習慣も競技パフォーマンスに影響を与えるため、日常生活の中で改善すべき課題を見つけ、取り組む姿勢が重要となる。

6.課題に対して行動を起こすための優先順位を決める

課題を見つけたら、それに対して計画的に行動することが重要である。
すべての課題に同時に取り組むのではなく、優先順位を決め、効率的に改善を進める。

試合前に修正すべきポイントをリスト化し、短期間で改善可能な課題から取り組む。
フィジカル、スキル、メンタルの強化項目を分類し、今の自分に最も必要なものを優先する。
チームミーティングで話し合い、最も影響の大きい課題から修正に取り組む。

優先順位を決めて行動することで、効率的に課題を克服し、成長のスピードを上げることができる。

アドバイス

課題を自ら発見し、主体的に取り組む姿勢こそが、競技力を大きく高める鍵となります。
与えられるのを待つのではなく、自分から気づき、考え、行動できる力は、一流の選手に共通する重要な資質です。
練習や試合の振り返りを通じて、自分の課題だけでなく、チーム全体の課題にも目を向け、自分ごととして捉える習慣を身につけましょう。
その積み重ねが、計画的な改善につながり、自分自身を着実に成長させてくれます。
こうした力は、競技者としてだけでなく、社会に出た後も通用する「自ら考え行動できる人間力」として活かされていきます。課題を恐れず、前向きに向き合う姿勢を、意識して実践していきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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