19週:失敗を受け入れる
【目 標】
・フットボールでは、失敗を避けることはできない。
・失敗をどのように捉え、活かすかが、成長の鍵となる。
・様々な視点から、失敗と向き合う方法を学ぶ。
・失敗を恐れず挑戦し、それを学びに変えることでより強い選手・チームへの成長を促す。
19-3:「失敗をポジティブに受け止める」
失敗を「悪いこと」と決めつけず、成長のチャンスと捉える。
チームメイトが失敗したときに、励ましの言葉をかける練習をする。
ポジティブな言葉を使い、失敗を乗り越えるマインドセットを育てる。
自分の失敗がチームにどのような影響を与えたかを振り返る。
「失敗しなかったら学べなかったこと」を具体的に挙げる。
チーム全体で、失敗を受け入れる文化を育てる。
「失敗をポジティブに受け止める」について考えます。
失敗を単なるミスではなく、成長のための貴重な機会と捉えることが重要です。
ネガティブな感情に支配されるのではなく、ポジティブなマインドセットを持つことで、次の成功へとつなげることができます。
個人の失敗をチーム全体の学びに変え、励まし合いながら失敗を乗り越える文化を築くことで、より強いチームを作ることができます。
1.失敗を「悪いこと」と決めつけず、成長のチャンスと捉える
失敗はネガティブなものではなく、次の成功への布石である。
競技スポーツでは、成功の裏には必ず試行錯誤と失敗が存在する。
失敗したプレーを分析し、改善点を明確にすることで、自分自身の成長につなげることができる。
キックのミスを修正する
試合でFGを外してしまった場合、単に「ミスした」と落ち込むのではなく、蹴り方、助走の角度、風の影響を分析する。
そして次の練習で修正を重ね、自信を持って試合に臨む。
パスのインターセプトから学ぶ
QBがパスをインターセプトされた場合、単なるミスではなく、「どのタイミングで投げるべきだったか」「どのDF選手の動きに注目すべきだったか」を学び、次の試合でより良い判断を下す。
2.チームメイトが失敗したときに、励ましの言葉をかける練習をする
チームスポーツでは、個々の失敗がチーム全体の結果に影響する。
失敗した選手を責めるのではなく、励ましの言葉をかけることで、チーム全体の士気を保ち、次のプレーへの集中力を高めることができる。
WRがパスを落とした場面
試合でWRが決定的な場面でパスを落としたとき、QBが「次は絶対に決めよう!」と声をかけることで、WRは自信を取り戻し、次のプレーに集中できる。
OLがサックを許した場面
OLがパスプロテクションに失敗し、QBがサックされた場合、QBやチームメイトが「大丈夫、次は俺たちがフォローする」と伝えることで、OLは気持ちを切り替え、より良いブロックに集中できる。
3.ポジティブな言葉を使い、失敗を乗り越えるマインドセットを育てる
ネガティブな言葉は自信を奪い、ミスの連鎖を生む可能性がある。
一方で、ポジティブな言葉を意識的に使うことで、失敗を前向きに捉え、次の成功につなげることができる。
言葉の選び方が、選手の心理状態に大きな影響を与える。
プレーが成功しなかったときの声かけ
「またミスした」ではなく、「今のプレーの修正点を考えて、次に活かそう」と伝えることで、前向きな姿勢を維持する。
試合後の振り返り
試合に負けた後、「俺たちはまだまだ弱い」だけではなく「課題が明確になった。これを克服すれば、次は勝てる」と捉えることで、成長へのモチベーションを高める。
4.自分の失敗がチームにどのような影響を与えたかを振り返る
スポーツはチーム競技であるため、個人の失敗がチーム全体の結果に影響を与えることがある。
しかし、その影響をどのように受け止め、次にどうつなげるかが重要である。
自分の失敗がどのような形でチームに作用したのかを冷静に振り返ることで、次に同じミスを防ぐ手立てを考えることができる。
ミスによる得点チャンスの喪失
RBがボールをファンブルし、相手チームにターンオーバーを許してしまった。
このミスによって相手に得点の機会を与えてしまったが、リカバリーするためにどうすればよかったのか、ボールの持ち方やプレッシャー下での対応を分析し、練習に反映させる。
ディフェンスのカバーミスによる失点
DBが相手WRのルートを読み間違え、ロングパスを許してしまい、失点につながった。
自分のミスがチーム全体の戦略にどのような影響を与えたかを考え、次の試合で適切な修正を行う。
5.「失敗しなかったら学べなかったこと」を具体的に挙げる
失敗には必ず学びがある。
もし失敗しなければ気づくことのできなかった課題や、改善すべきポイントが見えてくる。
失敗を「価値ある経験」として捉え、それをどのように次の成長につなげるかが大切である。
プレーにおける判断ミスからの学び
QBが試合中に無理なパスを投げ、インターセプトされてしまった。
この失敗によって「試合終盤ではリスクを考えたプレースタイルの選択が必要」ということを学び、次からは冷静にチェックダウンを選ぶようになる。
スナップカウントのミスによる反則
OLが相手のディフェンスに翻弄され、スナップカウントを間違えてエンクローチメントの反則を取られてしまった。
この失敗によって「相手の動きを想定し、正しいタイミングで動くことを重視する」ことを学び、試合前の確認の精度を上げるようになる。
6.チーム全体で、失敗を受け入れる文化を育てる
チームとしての成長には、「失敗を許容し、学びに変える環境」が必要である。
ミスを責める文化ではなく、次にどう生かすかを考える環境を作ることで、個人の成長だけでなくチーム全体の競技力向上にもつながる。
試合後の振り返りミーティングの実施
試合後に、失敗したプレーや改善点についてチーム全体で話し合い、個々の反省を共有することでチーム全員が同じミスを防ぐ意識を持つ。
コーチングスタッフによるポジティブなフィードバックの活用
コーチ陣が、失敗した選手に対して「なぜその選択をしたのか」を問いかけ、より良い選択肢を共に考えることで、次の試合に向けたポジティブな学びを促進する。
アドバイス
心がけたいのは「他者への指導、失敗を自分のことのように学び、改善する」ことです。
例えば、プレー面での指摘を仲間が上級生やコーチから受けている時、自分の課題と捉えて共に聞くことで、同じミスが減り、ユニット全体の力量向上に繋げます。
生活面で失敗した選手がいた時、同じシチュエーションに自分がいたら、どんな選択をしていたか?を自問し、個人の成長につなげます。チームでは、日々挑戦と失敗が起きます。起きた失敗を多くの人が自分ごととして立ち振る舞えば、改善による向上が劇的に伸びていきます。