20-2:チーム内での倫理観

20週目:倫理観を学ぶ
【目 標】
フットボールは単なる勝敗を競うスポーツではなく、フェアプレーや誠実な行動が求められる競技であることを認識する。
・倫理観を持つことで、個人の成長だけでなく、チームの信頼や競技全体の価値を高めることを理解する。
・倫理観を理解し、それを実践することで、より尊敬される選手となり、より良きチーム作りを行う。

20-2:「チーム内での倫理観」
チーム内でのルールや役割を尊重する重要性を学ぶ。
チームメイトへの誠実な対応が信頼関係を築くことを理解する。
自分勝手な行動がチーム全体に与える影響を考える。
コミュニケーションにおける誠意と責任を意識する。
チームの目標を最優先に行動する方法を考える。
チーム全体で倫理観を共有する活動を行う。

「チーム内での倫理観」について考えます。
チーム内での倫理観は、信頼関係の構築や円滑なコミュニケーション、組織としての成長に不可欠です。
個々の選手がルールや役割を尊重し、誠実な態度を持つことでチームの結束力が高まります。自分勝手な行動はチームの士気やパフォーマンスに悪影響を与えるため、一人ひとりが責任感を持って行動することが重要です。チーム全体で倫理観を共有し、行動規範を守る文化を育むことが必要となります。

1.チーム内でのルールや役割を尊重する重要性を学ぶ

チームが一つの目標に向かって機能するためには、各選手がルールや役割を理解しそれを守ることが重要である。
個々のプレーだけでなく、全体の動きを意識した行動が求められる。

連絡への回答を遅延しない
時間を守ることでチームのリズムを崩さず、全員がスムーズに運営を進められる。

ポジションごとの役割を徹底する
例えば、OLがパスプロのルール確認を怠ると、QBにいつもプレッシャーがかかり正しくプレーできなくなる。

試合中の決めごとを守る
チーム戦略に従わず自己判断で動くと、スペシャルプレーやキッキングの後退などの連携崩れ、チームがチャンスを失う。

個々の判断ではなく、チームの決まりごとや役割を守ることで、一体感のあるプレーが生まれ、勝利に繋がる。

2.チームメイトへの誠実な対応が信頼関係を築くことを理解する

チーム内での信頼関係は、プレーの精度向上や組織としての強化に直結する。
お互いを尊重し、誠実な態度で接することで協力しやすい環境が生まれる。

約束を守る
練習後の自主トレに誘われたら、約束どおり参加することで信頼関係が築かれる。

批判ではなく建設的な意見を伝える
チームメイトのミスを指摘するときも、「次はこうした方がいい」と具体的に助言する。

失敗を責めず励ます
試合で決定的なミスをした選手に「次はこうしよう」と前向きな声掛けをすることで、チームの士気が高まる。

誠実な対応を続けることで、互いの信頼が深まり、チーム全体のパフォーマンスが向上する。

3.自分勝手な行動がチーム全体に与える影響を考える

個人の勝手な行動は、チーム全体のバランスを崩し、試合の結果に影響を与える。
常にチームの目標を意識し、協調性を持った行動が必要となる。

個人プレーに走りすぎる
RBが指示されたレーンを無視して外に逃げると、ブロックの設計が狂い、結果的にロスをする。

自己中心的な要求をする
WRが「自分にもっとパスを投げてほしい」と主張しすぎると、チーム戦略が乱れる。

試合後のSNSで不満を漏らす
試合に出られなかった選手がSNSで批判的な投稿をすると、チーム全体の雰囲気が悪化する。

個人の行動がチームに与える影響を考え、協調性を持ってプレーすることが大切である。

4.コミュニケーションにおける誠意と責任を意識する

適切なコミュニケーションはチームの一体感を高める。
何気ない発言や態度が、チームの雰囲気を左右することを理解し責任ある言動を心がける。

試合中の的確な指示
QBが的確なコール確認をし、全員が意思統一を図ることでミスが減る。

リーダーがメンバーの意見を聞く
キャプテンがメンバーの意見を尊重し、チーム方針を決める。

チーム全体での話し合いを増やす
試合後にチーム全員で振り返りを行い、良かった点と改善点を共有する。

誠意のあるコミュニケーションを取ることで、チームのまとまりが強くなる。

5.チームの目標を最優先に行動する方法を考える

個人の希望や欲求よりも、チーム全体の目標を最優先に考えることが成功への鍵となる。
チーム全体の利益を考えて行動する意識を持つことが重要である。

試合での自己犠牲のプレー
TEがボールを持たずにブロックに徹し、RBのランをサポートする。

練習中の役割を意識する
スカウトチームの選手が相手チームの動きを再現し、主力メンバーの試合準備を支える。

サポート役の重要性を理解する
怪我等で試合に出られない選手が、チームのためにボール出しや準備を積極的に行う。

チーム全体の成功を第一に考え、自分がどのように貢献できるかを意識することが大切である。

6.チーム全体で倫理観を共有する活動を行う

チームの倫理観を高めるには、全員がその重要性を理解し、共通の価値観を持つことが必要である。
そのための具体的な取り組みを考える。

部則の遵守
「チームとして守るべき行動指針」を全員で話し合い、決定する。

試合後の振り返り会
試合の勝敗に関係なく、倫理的な行動ができたかを振り返る時間を設ける。

OBOGとの交流会
異なる世代のチーム経験者と交流し、倫理観の重要性について意見交換を行う。

チーム全体で倫理観を共有し、行動に反映させることで強固な組織が形成される。

アドバイス

チーム内での倫理観を確立することは、競技の成績を高めるだけでなく、人間としての成長にも直結します。
一人ひとりの行動や言動が、チーム全体の雰囲気や信頼関係に大きな影響を与えるため、自分の言動に責任を持つことが非常に重要です。
誠実な態度で仲間と接し、協調性を大切にしながら行動することが、信頼されるチームメイトとしての第一歩となります。
また、ルールや役割をただ守るのではなく、チームの目標を最優先に考え、自ら進んで貢献しようとする姿勢が、チームを一つにまとめる力になります。

倫理観を全員で共有し、高い意識を持って行動することで、技術だけではなく、心も強く温かいチームへと成長していきます。日々の行動がチームの未来をつくります。一人ひとりが自覚を持ち、チームの成功に貢献できる存在を目指していきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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