23週目:批判とフィードバックの受け方
【目 標】
・批判を成長の機会と捉え、建設的なフィードバックを受け入れる姿勢を養う。
・感情をコントロールし、冷静に批判の意図を理解し、具体的な改善につなげる。
・チーム内でフィードバックを活かす文化を育み、競技力と協調性を向上させる。
23-1:批判を前向きに捉える方法を学ぶ
批判は「攻撃」ではなく「改善のための意見」であることを理解する。
感情的にならず、冷静に批判を受け止める練習をする。
批判を成長の機会と捉え、改善に繋げる意識を持つ。
批判の内容が具体的であれば、即座に取り組む行動を考える。
個人ではなく、行動や結果に対する批判であることを認識する。
批判を受けた場面を振り返り、自分の考え方を柔軟に修正する。
「批判」と「非難」は違います。
「批判」とは
「批判」とは、ものごとに検討を加えたのち、判定や評価を下すことを指します。
「批判」は、「ものごとの真偽や可否を検討して、それに対する判定を下す」という意味であるため「他人の言動に対し、その誤りや欠点を指摘し、正すよう求めること」といった解釈になります。
必ずしも人を責めるニュアンスは含みません。
一方「非難」とは
「非難」とは、他人の欠点や犯した過ちを指摘し、責めることを指します。
例えば、ミスを取り上げて咎めたり、周囲に迷惑を与えるような癖や態度を注意したり、といったことが「非難」にあたります。
このように整理しても「批判」については勘違いされることも多いです。
これは特に、言葉への解釈のレベル感が違う場合によく起こります。
「批判」について、受け取り手の理解力が及ばないのです。
相手が「私のために前向きなことを言ってくれている」と感じなければ、「非難」や「否定」として受け取られてしまいかねないケースがあります。
「批判」は「ものごとの真偽や可否を検討して、それに対する判定を下し、それによって成長を促すもの」であるものなのに、無益で誰の得にもならない「非難」と同じと感じてしまうのです。
日本一を目指す組織において、批判を「する」ことも、批判を「される」ことも、成長の過程で不可欠な要素であり、大事にしなければならないスキルでもあります。組織内に「正しく批判をする、正しく批判を受ける環境」を醸成しなければ、組織の発展や個人の自己成長にもつながりません。「批判」を受けることは必要なことだと考え、時間とエネルギーを使って「批判」をしてくれる人に向き合い、感謝するマインドを大切にしてほしいと願います。
一方、「批判」を「評価」と置き換えることも考えましたが、「評価とは、良い悪いと決めること」なので、今回は批判という言葉を使いました。
評価=良い悪いと決めること。
批判=良い悪いを決めるために論じること。
と、理解してください。
改めて「批判を前向きに捉える方法を学ぶ」を考えます。
批判を前向きに捉えることで、成長の機会とすることができます。
批判は攻撃ではなく、自分のパフォーマンスや行動を改善するための意見であると理解し、感情的にならず冷静に受け止めることが重要です。批判の内容が具体的であれば、即座に改善策を考え、行動につなげる姿勢を持ちましょう。
また、批判は個人への攻撃ではなく、行動や結果に対するものと認識し、柔軟に対応する力を養おう。
1.批判は「攻撃」ではなく「改善のための意見」であることを理解する
批判を受けると、攻撃されたように感じることがある。
しかし、批判の本質は「成長のためのフィードバック」である。
批判を正しく理解し、感情的にならずに受け入れることで、自分のスキルやチームへの貢献度を向上させることができる。
コーチの指摘
「プレーの精度が低い」と言われた際に、「自分を否定された」と捉えず、技術改善の機会と考え、練習方法を見直す。
チームメイトの助言
「ポジショニングが遅い」と指摘されたら、相手の意図を理解し、どうすればより良い動きができるかを考える。
試合後の分析
自分のミスが試合結果に影響した場合、批判を素直に受け入れ、改善点を明確にすることで次回のパフォーマンス向上につなげる。
2.感情的にならず、冷静に批判を受け止める練習をする
批判を受けた際に、感情的になると適切に対処できず、改善の機会を失うことがある。
冷静に受け止めることで、批判の内容を正しく理解し、具体的な改善につなげることができる。
試合中の指摘
試合中に「もっとルートを早くしろ」と怒鳴られたとき、感情的にならず、なぜ指摘されたのかを考え、プレーの改善に集中する。
映像分析の活用
自分のプレーをビデオで確認し、冷静に振り返ることで、感情に左右されずに改善点を見つける。
フィードバックシートの活用
コーチやチームメイトからの批判を文書化し、時間を置いて読み返すことで、冷静に受け止めやすくする。
3.批判を成長の機会と捉え、改善に繋げる意識を持つ
批判を受けた際に「自分はダメだ」と思うのではなく「もっと成長できるチャンスだ」と考えることで、前向きな行動につなげることができる。
試合でのミス
インターセプトをされた選手が「もうダメだ」と落ち込むのではなく、「次はパスの精度を上げるための練習をしよう」と考える。
練習中の修正
キックの成功率が低い場合、失敗の要因を分析し、フォームや蹴り方を見直す。
フィードバックの活用
コーチに「タックルの踏み込みが甘い」と言われた場合、プレー映像を見直し、守備力を向上させる方法を考える。
4.批判の内容が具体的であれば、即座に取り組む行動を考える
批判の内容が明確であれば、改善策をすぐに考え、実行に移すことが重要である。
「パシュート精度を上げろ」と言われた場合
パシュートのコースを見直し、全員での囲み具合を映像でみて改善する。
「試合中にコミュニケーションの声を出せ」と言われた場合
練習から積極的に声を出すことを意識し、チームの連携を強化する。
「体力が足りない」と指摘された場合
自主的にランニングメニューを追加し、持久力を向上させる。
5.個人ではなく、行動や結果に対する批判であることを認識する
批判を受けたとき、多くの人は「自分自身が否定された」と感じてしまいがちだが、実際には多くの批判は行動や結果に対する指摘であり、人格への否定ではない。
スポーツの現場では特に、試合での判断やプレーに対する評価や意見が飛び交う。
これを冷静に受け止めることで、感情的にならずに改善点を見つけ、前向きな成長に活かすことができる。
コーチから
「プレーが遅かった」と言われたとき、自分の価値を否定されたと思い込むのではなく、「判断スピードを上げる練習が必要だ」と切り替えることで、具体的な改善行動が取れる。
チームメイトから
「お前がミスしたせいで失点した」と言われた場合、自分の性格を否定されたわけではなく「ポジション取りが悪かった」という事実に目を向け、次回の修正に繋げる。
試合後に観客やOBから
厳しい言葉をかけられた際も「チームとしての結果」や「リーダーとしての振る舞い」が問われていることを理解し、自分の在り方を俯瞰して見つめ直す機会に変える。
6.批判を受けた場面を振り返り、自分の考え方を柔軟に修正する
批判を受けたときに「自分の考えがすべて正しい」と思い込まず、柔軟に考え方を変えることが大切である。
プレースタイルの修正
自分のプレースタイルに固執せず、コーチや先輩の意見を取り入れてプレーを改善する。
ポジション変更の受け入れ
自分が希望するポジションではなくても、チームにとって最適な役割を受け入れることで新たな成長の機会を得る。
指導法の違いを受け入れる
異なるコーチのアドバイスを柔軟に受け入れ、自分に合ったプレースタイルを見つける。
アドバイス
チームメイトやコーチからの意見に素直に耳を傾け、自らを変えるきっかけとすることができれば、あなたは確実により強く、より信頼される存在へと成長していきます。
批判を恐れるのではなく、成長のチャンスと捉えて、勇気を持って受け止めましょう。