32-3:チーム内のトラブルに対応する

[32週]: [危機管理と対応力]
・危機的状況においても冷静に判断・行動できる力を身につけ、競技中のリスクを最小限に抑える能力を養う。
・自らの役割を理解し、チーム全体でリスクを予測・共有することで、迅速かつ的確な対応力を高める。
・危機を乗り越えた経験を次の糧とし、試合の流れを自らの力で有利に導く主体的な姿勢を確立する。

32-3:チーム内のトラブルに対応する
チームメイト同士の意見の対立が起きたときの適切な対応を考える。
コミュニケーションを円滑にし、トラブルを未然に防ぐ方法を学ぶ。
自分が当事者でなくても、チーム内の問題解決に協力する姿勢を持つ。
衝突が起きた際、感情的にならずに冷静に対話する技術を身につける。
コーチやリーダーと連携し、チーム全体の士気を下げない行動をとる。
問題が起きた後の関係修復も大切にし、長期的な信頼関係を築く。

「チーム内のトラブルに対応する」ことを考えます。
チーム内でのトラブルは、どんな組織でも避けられないものであり、スポーツチームにおいても例外ではありません。
意見の対立や感情的なすれ違いが生じたとき、冷静に対応し、解決へ導く姿勢と技術が求められます。チームの一員としての責任を持ち、調和を保つ力を養いましょう。

1.チームメイト同士の意見の対立が起きたときの適切な対応を考える

意見の食い違いは、価値観や立場の違いから生まれる。
重要なのは、対立を否定せず、建設的な対話で解決へ導く力である。

プレー選択を巡る意見の相違を整理する
複数の選択肢を紙に書き出し、論理的に比較検討する場を設ける。

練習メニューをめぐる対立を仲裁する
両者の主張を丁寧に聞き、目的を共有することで歩み寄りを促す。

戦術会議で意見が割れた際に調整を担う
ファクトベースでの議論を促し、主観的な感情を冷却する。

意見の違いを恐れず、対話と整理によって前向きな合意形成を目指す姿勢が重要である。

2.コミュニケーションを円滑にし、トラブルを未然に防ぐ方法を学ぶ

トラブルの多くは誤解や思い込みから生じる。
日頃からの信頼関係とオープンな対話が、未然防止の鍵となる。

週に一度のユニットミーティングを設ける
陣連携ミスや疑問点を事前に確認する機会を設ける。

練習後に1on1で会話する時間をつくる
個々の状況や思いを直接共有し、距離感を縮める。

スタッフが意見箱を活用し匿名で意見を集める
言いにくい声も拾えるようにし、不満の蓄積を防ぐ。

日々の対話と工夫によって、トラブルを未然に防ぐチーム文化が育まれる。

3.自分が当事者でなくても、チーム内の問題解決に協力する姿勢を持つ

トラブルは当事者だけの問題ではない。
第三者の視点が問題解決を促す鍵になることも多い。

後輩の口論に仲裁の声をかける
一方の言い分を聞き、相手の気持ちに気づく。

ミーティングの空気を読み、話題を変えたり、視点を変えて、気まずさをほぐす
ユーモアを交えて緊張感を和らげる。

上級生が当事者の相談に乗る
一方的に判断せず、寄り添う聞き手に徹する。

チーム内の安定には、傍観せずに「関与する勇気」が必要である。

4.衝突が起きた際、感情的にならずに冷静に対話する技術を身につける

感情的な対応は、問題の深刻化を招く。
事実と気持ちを分けて伝える技術が求められる。

“Iメッセージ”を活用して伝える
「自分はこう感じた」と述べることで対立を避ける。

一晩おいて冷静に話し合いを申し出る
感情が落ち着いたタイミングで冷静な対話を行う。

対話の前にメモで思考整理する
言葉を選ぶ準備をすることで伝え方に配慮できる。

冷静な対話力は、対立を乗り越えるための最も効果的な技術の一つである。

5.コーチやリーダーと連携し、チーム全体の士気を下げない行動をとる

リーダーと連携しながら問題に向き合うことで、チームの雰囲気を守ることができる。

相談のタイミングを見極める
練習後やミーティング前後の落ち着いた時間を活用する。

ユニットリーダーがトラブルをコーチと共有しする
小さな衝突の段階で連携し、早期に解消を図る。

士気低下を察知し声がけを行う
チーム内の緊張感をやわらげる役割を果たす。

個の対応に限らず、指導者との連携によって、組織全体を守る視点が養われる。

6.問題が起きた後の関係修復も大切にし、長期的な信頼関係を築く

衝突は信頼を損なう危機であるが、丁寧な関係修復を行えば、むしろ信頼を深める契機となる。

トラブルがあった際、試合後(事が終わった後)に直接謝罪する
感情的になった行動を悔い、率直に謝る。

LINEで感謝と反省を送る
まずは文字を使って丁寧に伝え、気持ちを共有する。(のちに対面でも謝る)

後日ランチに誘い、対話の場を設ける
リラックスした空間で本音のやり取りができる。

一度のトラブルを乗り越える経験が、強固な信頼関係の礎となる。

アドバイス

チーム内でのトラブルは、避けられないものでありながら、適切に対処すれば信頼を深める機会にもなります。
重要なのは、対話を恐れず、感情を整理し、仲間と誠実に向き合う姿勢です。

問題解決のプロセスに積極的に関わることが、チーム全体の成長と団結力に繋がります。
どんなときも、各人の行動がチームを支える力になることを忘れずにいてください。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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