36-2:感情をコントロールする

EQ(Emotional Intelligence Quotient:「心の知能指数」「感情の知性」)とは自身の感情の状態を把握し、コントロールした上で、周囲の人の気持ちにも働きかける力のこと 。

[36週]: [感情的知性(EQ)を高める]
・自己認識と感情のコントロール力を高めることで、プレッシャーの中でも冷静かつ安定したパフォーマンスを維持できる力を養う。
・共感力を育むことにより、チームの結束力を高め、信頼に基づいた良好な人間関係を築く基盤を形成する。
・感情的知性を高めることで、判断力・対話力・リーダーシップといった対人スキルを強化し、競技内外における長期的な成長へとつなげる。

36-2:感情をコントロールする
ストレスや怒りを適切に処理し、冷静さを保つ力を養う。
試合中にミスをした際の感情の処理方法を考える。
感情が高ぶったときに、一旦間を置いて考える習慣をつける。
リラクゼーションやルーティンを活用し、心を落ち着ける。
感情を無理に抑え込むのではなく、適切に発散する方法を学ぶ。
感情をコントロールできる選手は、チーム全体の安定にも貢献する。

「感情をコントロールする」ことについて考えます。
スポーツにおける成功には、感情のコントロールが欠かせません。プレッシャーや怒り、不安といった感情に流されず、冷静さを保てる選手こそが安定したパフォーマンスを発揮できます。適切な感情処理を学び、心を整える習慣を身につけましょう。

1.ストレスや怒りを適切に処理し、冷静さを保つ力を養う

感情を無理に抑え込むのではなく、適切に認識し、健全に処理することで精神の安定を図ることができる。

ミス後の怒りを切り替え
自分のミスはイライラするが、深呼吸とポジティブな声かけで気持ちを整理する。

不満を仲間にぶつけない
感情が高ぶったとき、すぐに言葉にせず一度離れて冷静になることで衝突を防ぐ。

ストレス解消の工夫
練習後に音楽を聴くなどのリラックスをする習慣を持ち、感情のリセットを図る。

感情に支配されずに対応する力は、競技者としての信頼と安定感を高める要素となる。

2.試合中にミスをした際の感情の処理方法を考える

ミスに対しての感情的反応を冷静に捉え、次の行動にどう活かすかを工夫する姿勢が重要である。

即座に自分を立て直す
パスミス直後に「次で取り返そう」と意識を未来に向け、立ち直る。

仲間からの一言に助けられる
ミス後に仲間の声かけを受けて落ち着きを取り戻し、再集中できた。

ルーティンによるリセット
失敗時にはサイドラインでヘルメットを一度外して深呼吸し、気持ちを整える習慣を導入してみる。

ミスは成長の材料であり、感情の対処力が次のプレーの質を左右する。

3.感情が高ぶったときに、一旦間を置いて考える習慣をつける

即時の反応ではなく、一呼吸おいた判断が冷静さと理性を保つ鍵となる。

タイムを使って冷静に
感情が高ぶったときに仲間と交代して、自らサイドラインに出て、気持ちを整理する。

言葉を飲み込む選択
言い返したくなる状況で一度黙り、感情よりチームの利益を優先する。

プレー間のリセット
ミスの直後に空を見て深呼吸することで、感情を切り替える動作とした。

“間”を持つことで、感情の暴走を防ぎ、より的確な判断へとつながる。

4.リラクゼーションやルーティンを活用し、心を落ち着ける

習慣的な行動が心の安定をもたらし、パフォーマンスの質を維持する支えとなる。

ウォーミングアップでの呼吸法
練習前に深い腹式呼吸を行い、気持ちを整えてからプレーに入った。

試合前の決まった音楽
試合前にはいつも同じ曲を聴き、心を落ち着かせる準備をした。

ナイトルーティンでリカバリー
試合後は決まった時間に風呂に入り、翌日に疲れを持ち越さないようにしている。

ルーティンの活用は、心の調律を整える自分専用のスイッチとして大きな役割を果たす。

5.感情を無理に抑え込むのではなく、適切に発散する方法を学ぶ

感情の抑圧ではなく、健全に発散する手段を持つことで、心身の健康を保つことができる。

感情を日記に書き出す
怒りや悔しさを文章で整理することで、冷静に振り返る余裕が生まれる。

信頼できる人に相談
仲間やコーチに話すことで、感情を溜め込まず前向きに切り替えることができる。

運動による感情発散
ランニングや筋トレなど身体を動かすことで、気分のリセットをしてみる。

感情の処理は内に閉じ込めるのではなく、外に健全に出す技術として習得すべきである。

6.感情をコントロールできる選手は、チーム全体の安定にも貢献する

個人の感情がチーム全体に与える影響を自覚し、常に安定した姿勢を保つことがリーダーとしての要件である。

ベンチでも冷静さを示す
控えの場面でも怒らずに応援に回り、仲間からの信頼を集めた。

感情的な場面での声かけ
チームの雰囲気が荒れた際、落ち着いた口調で声をかけ直すことで空気を変える。

一貫した振る舞いが信頼に
勝敗に関わらず態度を変えず、周囲からの尊敬を得る選手となった。

感情の安定は、自身だけでなくチームに安心と信頼をもたらすリーダーシップの要である。

アドバイス

感情をうまくコントロールできることは、試合での安定感だけでなく、仲間との信頼関係にも大きく影響します。
無理に抑え込むのではなく、正しく認識し、冷静に処理する方法を身につけましょう。

日常の中に自分なりのリセット方法を見つけておくことで、プレッシャーの中でも本来の力を発揮しやすくなります。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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