18-4:目標を自分で設定する

18週目:主体性を育む
【目 標】
フットボールは、コーチやリーダーの指示を待つだけでは勝利できない。
自ら考え、行動し、責任を持つ「主体性」がチームの成功には不可欠である。
自ら考え行動することで、プレーの質が向上し、チームへの貢献度も高まる。
試合や日常の中で主体的に動ける個人であることを目指す。

18-4:目標を自分で設定する
長期的な目標だけでなく、短期的な目標も自分で設定する練習をする。
具体的かつ現実的な目標を立てる方法を知る。
目標達成のために必要なリソースやスケジュールを考える。
自分で設定した目標をチームメイトやコーチと共有する。
目標達成後の達成感をイメージすることでモチベーションを高める。
定期的に目標を見直し、必要に応じて修正する。

「目標を自分で設定する」を考えます。
主体性を育むためには、自分で目標を設定し、それに向かって努力する力が必要です。
目標は長期的なものだけでなく、短期的なものも設定し、具体的な計画と実行を伴うようにします。
目標を持つことで、日々の練習や試合に対する意識が変わり、成長のスピードを加速することができます。
さらに、目標をチームメイトやコーチと共有することで、より実現可能性が高まり、競技力向上に貢献できます。

1.長期的な目標だけでなく、短期的な目標も自分で設定する練習をする

長期目標は大きな方向性を示すが、短期目標を設定することで、毎日の練習に具体的な目的を持たせることができる。
短期目標を達成することで達成感を得られ、次の目標に向けたモチベーションが生まれる。

「今シーズンチームのエースWRになる」という長期目標を設定し、それを達成するために「1カ月以内にキャッチ成功率を5%向上させる」という短期目標を立てる。
LBが「次の試合でソロタックル数を3回増やす」という短期目標を立て、試合前の1週間でタックル技術を重点的に練習する。
Kが「1週間で40ヤードのキック成功率を55%以上にする」という目標を設定し、特化練習を行う。

長期目標を持つことは重要だが、短期目標を設定することで、日々の練習が具体的な意味を持ち、効率的な成長へとつながる。

2.具体的かつ現実的な目標を立てる方法を学ぶ

目標は「具体的」「測定可能」「達成可能」「関連性のある」「期限付き」(SMART)であることが重要である。
Specific(具体的な) 明確な目標を設定する。
Measurable(測定可能な) 数字で計測できる目標を設定する。
Achievable(達成可能な) 同意して達成できる目標を設定する。
Relevant(関連性) 目標を達成した先には何があるのか。何のために目標を達成するのか
Time-bound(期限付きの) 期限が明確な目標を設定する。
あまりに抽象的な目標や実現不可能な目標では、途中で挫折するリスクが高まる

「パスの精度を上げる」という曖昧な目標ではなく、「今月中にパス成功率を70%に向上させる」という具体的な目標を設定する。
「試合で活躍する」ではなく「次の試合で3回以上ロングパスを成功させる」という明確な数値目標を作る。
「チームの中心選手になる」ではなく「来月の試合でキャプテンからの評価を上げるため、プレーリーダーシップを強化する」など、具体的な行動を伴う目標にする。

目標を具体的にし、達成可能な範囲で設定することで、実際の行動につながりやすくなる。

3.目標達成のために必要なリソースやスケジュールを考える

目標を達成するためには、どのような練習やサポートが必要なのかを明確にし、計画的に取り組むことが重要である。
必要な時間や道具、環境などを整理し、適切な準備を整えることで目標達成の可能性が高まる。

筋力を向上させる目標を立てた選手が、ウエイトトレーニングの時間をスケジュールに組み込む。
パスプレーの精度向上を目指すQBが、週2回の追加練習をコーチと計画する。
戦術理解を深めるため、試合のビデオ分析の時間を毎週確保する。

目標は立てるだけでは意味がなく、達成のための計画を立て、具体的に行動することが大切である。

4.自分で設定した目標をチームメイトやコーチと共有する

目標を自分だけで持つのではなく、周囲と共有することで達成への責任感が増し、協力を得られる。
チーム内で目標を公表することで、サポートを受けやすくなる。

キャプテンが「チーム全体のターンオーバーを減らす」という目標を立て、選手一人ひとりに役割を伝える。
パントリターナーが「来月の試合でパントのボールを見送らない」とコーチに伝え、特別練習を依頼する。
ディフェンスの選手が「次の試合で3つのタックル成功を目指す」と仲間と共有し、互いにアドバイスを出し合う。

目標を共有することで、チーム内の相互支援が生まれ、より達成しやすくなる。

5.目標達成後の達成感をイメージすることでモチベーションを高める

目標達成後の自分の姿をイメージすることで、モチベーションを高めることができる。
成功した自分を想像することで、日々の練習の意義を感じやすくなる。

「試合で決定的なプレーを決めて勝利に貢献する自分」を想像しながら練習に取り組む。
「プライズマークを5つ獲得する」という目標を設定し、それをモチベーションに努力を続ける。
「試合後にチームメイトと喜びを分かち合う姿」を想像し、日々の努力を継続する。

目標の達成後を具体的にイメージすることで、努力する意味を明確にし、モチベーションを維持することができる。

6.定期的に目標を見直し、必要に応じて修正する

目標は状況に応じて見直し、必要なら修正することが重要である。
達成可能な範囲で調整し、成長に合わせた目標設定を行うことで、継続的に挑戦し続けることができる。

当初の目標を達成した場合、新たな課題を設定し、より高いレベルを目指す。
怪我やコンディションの変化により、一時的に目標を調整し、無理のない範囲で継続する。
シーズン途中で順位等で戦略が変わった際、それに適応する新しい目標を立てる。

目標は固定するものではなく、状況に応じて修正しながら進めることで、継続的な成長が可能となる。

アドバイス

目標を自分で設定することは、主体性を育むうえで非常に重要なスキルです。
漠然とした努力ではなく、自分自身の長期的なビジョンと、短期的に達成すべき課題を組み合わせて具体的に計画を立てることで、日々の練習や試合に対する意識と集中力が大きく変わってきます。
また、自分で立てた目標をチームメイトやコーチと共有することで、応援やフィードバックを受けながら軌道修正ができ、より実現可能性の高い取り組みへと進化させることができます。
目標は立てて終わりではなく、定期的に見直し、必要に応じて柔軟に調整していくことが成長のカギとなります。

「どうなりたいか」「どうありたいか」を明確に描き、そこへ向けて自ら舵を取る姿勢を大切にしていきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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