18-6:自己決定力を強化する

18週目:主体性を育む
【目 標】
フットボールは、コーチやリーダーの指示を待つだけでは勝利できない。
自ら考え、行動し、責任を持つ「主体性」がチームの成功には不可欠である。
自ら考え行動することで、プレーの質が向上し、チームへの貢献度も高まる。
試合や日常の中で主体的に動ける個人であることを目指す。

18-6:自己決定力を強化する
チームやコーチからの提案を受け入れつつ、自分で判断する力を育てる。
選択肢が多い場合、最適な行動を決定する練習をする。
自分の決定に責任を持ち、結果を受け止める覚悟を持つ。
チーム全体のために必要な判断を考える訓練をする。
自己決定の結果が成功につながった場合と失敗につながった場合を振り返る。
試合中の瞬時の判断力を高めるためのシミュレーションを行う。

「自己決定力を強化する」を考えます。
自己決定力は、競技の場だけでなく、人生全般において重要なスキルです。
フットボールでは、瞬時の判断が求められ、迷いなく決断する力が試合の勝敗を左右します。選択肢が多い中で最適な行動を取る力を養うために、練習や試合の中で主体的な判断を重ねることが重要です。また、自分の選択に責任を持ち、成功や失敗を振り返ることで、より的確な決断ができるようになりましょう。

1.チームやコーチからの提案を受け入れつつ、自分で判断する力を育てる

コーチやチームの指示に従うことは重要だが、それだけでは主体性は育たない。
チーム戦略を理解しつつ、自分で判断する習慣を身につけることでフィールド上で柔軟な対応ができるようになる。

QBがプレーコールを受けた後、相手の守備を見てRPOを判断する。
ディフェンス選手が試合中、オフェンスのフォーメーションを分析し、コーチの指示以上に状況判断し成功する。
試合中のブロックの選択で、味方の動き予測しながら最適なテクニックを使ってディフェンダーと戦う。

コーチの指示は基盤となるが、状況に応じて自ら判断する力を鍛えることで、より効果的なプレーが可能になる。

2.選択肢が多い場合、最適な行動を決定する練習をする

試合では複数の選択肢がある状況が頻繁に発生する。
その際、瞬時に最適な判断を下せるよう、普段から複数の選択肢を考慮し決定する練習が必要である。

RBがディフェンスの隙を見て、どのギャップに走るかを瞬時に決定する。
パントリターン時、ブロックの状況を見ながらオープンに走るか中央突破するかを判断する。
FGを狙うか、4thダウンギャンブルを選択するか、試合状況を踏まえて決断する。

選択肢が多い場面で迷わず最適な決定をするために、日頃からシミュレーションを重ね、瞬時の判断力を鍛えることが重要である。

3.自分の決定に責任を持ち、結果を受け止める覚悟を持つ

自らの決断には責任が伴う。
成功すれば成長につながり、失敗した場合は反省して次につなげることが求められる。
重要なのは、結果に対して言い訳をせず、自分の行動を受け入れる姿勢を持つことである。

QBが自分の判断でインターセプトを投げてしまった場合、その原因を振り返り改善する。
試合前に自主的に休息を取らず、疲労で本番のパフォーマンスが低下した場合、自分の準備不足を認める。
チームプレーのミスを他者のせいにせず、自分にできることを振り返り、次の試合で修正する。

自己決定の責任を持つことで、成長の機会を最大限に活かすことができる。
成功も失敗も次につなげる姿勢を持つことが重要である。

4.チーム全体のために必要な判断を考える訓練をする

個人の判断がチーム全体に影響を与えることを理解し、個人プレーとチームプレーのバランスを考えながら決断を下す能力を鍛える。

HCがタイブレイクで攻撃か守備を選択する際、その日の様子からチームの得意な展開を考慮して判断する。
試合中、パスを狙うべきか、時間を消費するためにランプレーを選択すべきかを考える。
キックオフリターン時、安全にフェアキャッチするか、リターンを試みるかのリスクとリターンを瞬時に判断する。

個人の判断がチーム全体に与える影響を考慮し、戦略的な決断を下す訓練を重ねることが重要である。

5.自己決定の結果が成功につながった場合と失敗につながった場合を振り返る

決断の良し悪しを試合後に分析し、成功要因と失敗要因を整理することで、次の試合に活かす。

試合で成功したプレーについて、なぜその判断が正しかったのかを振り返る。
ディフェンスでの読み違えにより大きなゲインを許した際、何が原因だったのか分析する。
ハーフタイム中の戦略変更が成功した場合、その決定プロセスを共有し、再現性を高める。

成功も失敗も振り返ることで、経験を積み、より的確な決断を下せるようになる。

6.試合中の瞬時の判断力を高めるためのシミュレーションを行う

試合中に即座に正しい判断ができるよう、事前にシミュレーションを行い、状況に応じた最適な行動を素早く選べるようにする。

QBが試合前に相手ディフェンスの傾向を分析し、どのシナリオでも適切に対応できるよう準備する。
ディフェンス選手が試合前の映像を見ながら、相手のプレーパターンに対する対応策を考える。
特定の試合展開(2ミニッツオフェンス、ゴール前ディフェンス)を想定し、瞬時に最善のプレーを選択する練習を行う。

試合での判断力を高めるためには、シミュレーションを繰り返し、瞬時に最適な選択ができるように備えることが大切である。

アドバイス

自己決定力は、プレーの質を高めるだけでなく、チーム全体の成長や勝利にも大きな影響を与える重要な力です。
試合の流れや状況を瞬時に読み取り、自分で考え、最適な判断を下す力は、競技者としての成熟を示すものです。
また、自らの判断に責任を持ち、その結果が成功であれ失敗であれ、しっかりと受け止めて振り返る姿勢が、次の成長につながります。日々の練習の中で「自分ならどうするか」を常に意識し、小さな選択を積み重ねていくことが、試合での瞬時の決断力を磨く土台になります。
誰かに委ねるのではなく、自分の意思で行動を選び、チームの中で信頼される存在を目指していきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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