20-6:競技外での倫理的な行動

20週目:倫理観を学ぶ
【目 標】
・フットボールは単なる勝敗を競うスポーツではなく、フェアプレーや誠実な行動が求められる競技であることを認識する。
・倫理観を持つことで、個人の成長だけでなく、チームの信頼や競技全体の価値を高めることを理解する。
・倫理観を理解し、それを実践することで、より尊敬される選手となり、より良きチーム作りを行う。

20-6:「競技外での倫理的な行動」
競技場外での行動がチームや競技全体のイメージに影響することを理解する。
日常生活での倫理的な行動(時間厳守、礼儀正しい態度など)を意識する。
学業とスポーツの両立を通じて倫理的な生き方を実践する。
チームや学校を代表している意識を持ち、行動に責任を持つ。
地域社会でのボランティア活動やイベント参加を通じて倫理観を深める。
倫理的な行動が自分自身の成長に繋がることを意識する。

「競技外での倫理的な行動」について考えます。
フットボールの選手として、競技場内の行動だけでなく、日常生活における倫理観も重要です。
個人の行動がチームの評価や競技のイメージに影響を与えることを理解し、責任を持つことが求められます。
時間厳守、礼儀、学業との両立、地域貢献など、社会人としても通用する行動を意識することで、選手としてだけでなく人間的な成長にもつながるのです。

1.競技場外での行動がチームや競技全体のイメージに影響することを理解する

選手一人ひとりの行動は、チーム全体や競技のイメージに直接影響する。
試合や練習外での不適切な行動は、チームの信頼を損なうだけでなく、フットボール全体の評価にも影響を与えるため、競技外でも品位ある振る舞いを心がけることが重要である。

SNSでの発言
選手が軽率な発言をした結果、炎上し、チーム全体に影響を及ぼした例。

公共の場での態度
遠征先で騒いでしまい、宿泊施設や関係者からの信頼を失ったケース。

試合外での行動が競技に影響
一部の選手の問題行動がメディアに報道され、ファンや学校からの評価が下がった例。

選手としての行動は、チームや競技全体の評価に影響する。
競技場外でも常に責任ある行動を心がけることが求められる。

2.日常生活での倫理的な行動(時間厳守、礼儀正しい態度など)を意識する

競技場外での振る舞いが、その選手の人格や信用を形成する。
時間を守る、礼儀正しく接する、公共のルールを守るなど、日常生活での倫理観を意識することで、スポーツマンとしての評価を高めることができる。

時間厳守の重要性
試合や練習以外でも約束の時間を守ることで、信頼関係が築かれる。

礼儀正しい態度
試合の相手チームや審判、連盟のスタッフの方に対して敬意を持って接することが、長期的な関係構築につながる。

公共のルールを守る
移動時のマナーを意識し、バスや電車での振る舞いにも注意を払う。

競技だけでなく、日常の振る舞いも選手としての評価に影響を与える。
時間や礼儀を守ることで、競技以外の場面でも信頼される存在になれる。

3.学業とスポーツの両立を通じて倫理的な生き方を実践する

学生アスリートは、学業とスポーツの両立が求められる。
学業をおろそかにせず、責任を持って取り組むことは、倫理的な姿勢の表れであり、社会に出たときの基礎となる。

授業への出席を怠らない
試合や遠征があっても、事前に授業のスケジュールを調整し、学業をおろそかにしない。

学業サポートの活用
チーム内で勉強会を開き、お互いに助け合うことで、競技と学業のバランスを取る。

社会に出たときの責任感の醸成
学生時代から時間管理やタスク管理を意識することで、将来的に仕事や家庭でも責任を持った行動ができるようになる。

学業とスポーツの両立は、倫理観を持った生き方を実践するための基礎となる。
将来のキャリアを考えながら、学業にも真剣に取り組むことが重要である。

4.チームや学校を代表している意識を持ち、行動に責任を持つ

選手は個人の行動がチームや学校の評価に影響を与えることを理解し、責任を持って行動する必要がある。
公の場ではチームの一員であることを意識し、節度ある振る舞いを心がける。

チーム関連のウエア着用時の態度
チーム関連のウエアを着ているときは、周囲からの視線を意識し、模範となる行動を取る。

学校行事への積極的な参加
競技だけでなく、学校行事にも積極的に参加し、学内でのチームのイメージを向上させる。

地域活動での姿勢
チームがイベントやボランティア活動に参加する際、誠実な態度で接することで、チーム全体の評価を高める。

選手個人の行動は、チームや学校全体の評価につながる。
責任ある行動を意識し、チームの代表としての自覚を持つことが重要である。

5.地域社会でのボランティア活動やイベント参加を通じて倫理観を深める

競技を通じて得た経験やスキルを地域社会に還元することで、倫理的な価値観を深めることができる。
地域との関係を強化し、スポーツの価値を広めることも選手の役割の一つである。

高校生向けのフットボール教室
高校生チームにクリニックを開催し、競技の楽しさを伝える。

地域清掃活動への参加
チームとして地域のクリーンアップ活動に参加し、社会貢献の意識を高める。

福祉施設での交流
高齢者施設や福祉施設を訪問し、競技を通じた交流を行うことで、社会貢献の重要性を学ぶ。

地域社会とのつながりを大切にし、スポーツを通じた社会貢献の意識を持つことで、選手としても人間としても成長することができる。

6.倫理的な行動が自分自身の成長に繋がることを意識する

競技のフィールド外での行動は、選手としてだけでなく、一人の人間としての評価や信頼を築く重要な機会である。
倫理的な行動を日常的に意識することで、自制心や責任感が育まれ、それが競技中の判断力や行動にも良い影響を与える。
倫理とは他人の目を意識することだけでなく、「自分を律する」生き方の一部であり、人格形成や人間的成長に直結する。

・大学の講義に遅刻しないよう時間を守ることで、規律ある生活が習慣化し、競技における集合時間の厳守にもつながった。
・学内のゴミを拾うといった小さな行動を継続することで、周囲への貢献意識が芽生え、チーム内でも自然とリーダーシップを発揮できるようになった。
・SNSの使い方に慎重になり、不適切な発信を避けることで、自己管理能力が高まり、公の場での発言にも自信を持って臨めるようになった。

倫理的な行動は、目立つものばかりではないが、積み重ねによって確かな信頼を得ることができる。
そしてそれが自己肯定感や責任感につながり、競技場面でも落ち着いた判断や冷静な対応に結びついていく。
日常生活における選択一つひとつが、自分を成長させる糧になることを理解しよう。

アドバイス

競技外での倫理的な行動は、選手としての評価を高めるだけでなく、人としての器を広げ、真の成長へとつながります。
どこで誰が見ていようといまいと、自分の言動がチームの名を背負っていることを忘れてはなりません。
日常のひとつひとつの選択、立ち振る舞い、言葉遣いの積み重ねが、信頼を築き、誇りを育てるのです。

スポーツマンシップは競技場の中だけで完結するものではありません。
時間を守ること、礼儀を尽くすこと、感謝の心を持つこと。
それらを日々の生活の中で体現することが、アスリートとして、そして人としての本当の価値を育てます。

競技外での倫理的な行動を意識することは、単なる「良い人」であることを目指すのではなく「一流の人間」を目指す土台になります。チームを代表する自覚、自分を律する意志、そして小さな行動に込める誠実さが、自分を磨き、最終的にはチームの勝利や社会での信頼につながっていきます。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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