23-2:建設的なフィードバックの伝え方、受け方

23週目:批判とフィードバックの受け方
【目 標】
・批判を成長の機会と捉え、建設的なフィードバックを受け入れる姿勢を養う。
・感情をコントロールし、冷静に批判の意図を理解し、具体的な改善につなげる。
・チーム内でフィードバックを活かす文化を育み、競技力と協調性を向上させる。

23-2:建設的なフィードバックの伝え方、受け方
建設的なフィードバックは成長を促すものであると理解する。
非難の言葉と建設的なアドバイスを区別する練習をする。
フィードバックを受ける際に、要点を整理して理解する。
建設的なフィードバックに対して、感謝の意を示す方法を学ぶ。
受け取ったフィードバックを記録し、後で振り返る習慣を作る。
自分がチームメイトに与えるフィードバックも建設的であるか確認する。

「建設的なフィードバックの伝え方、受け方」を考えます。
フィードバックには、成長を促すものと単なる非難があります。建設的なフィードバックは、具体的で改善点を示し、受け手の向上を目的としています。一方、単なる非難は、感情的な否定や抽象的な指摘が多く、成長につながりません。
適切なフィードバックを受け入れ、自分のスキルを高める姿勢を養うことが重要です。また、フィードバックの内容を整理し、記録しながら活用する習慣を持つことで、継続的な成長が可能となります。

1.建設的なフィードバックは成長を促すものであると理解する

建設的なフィードバックとは、受け手が次のステップを踏むための具体的なアドバイスである。
単なる非難と異なり、成長を前提としており、相手を否定するものではなく、改善点を指摘しつつサポートする内容となる。

試合中のプレーに対するフィードバック
「パスのタイミングを0.5秒早めると、相手ディフェンスのプレッシャーを避けられるぞ。」

トレーニングに対するフィードバック
「スクワットのフォームを改善すると、より効果的に筋力を向上できるよ。」

チーム内の役割についてのフィードバック
「リーダーシップを発揮するときに、もう少し具体的な指示を出すとチームメイトが動きやすくなるよ。」

建設的なフィードバックを受けることで、自分の改善点が明確になり、次の行動につなげやすくなる。

2.非難の言葉と建設的なアドバイスを区別する練習をする

非難的な言葉は、感情的な表現や否定的な内容が多く、成長を妨げる。
一方、建設的なアドバイスは、解決策を伴い、受け手が前向きに捉えられるような内容になっている。
この違いを理解し、実際の会話の中で意識的に区別できるようにすることが重要である。

非難的な言葉
「お前のディフェンスは全然ダメだ。」
建設的なアドバイス
「もう少し低い姿勢で相手にアプローチすると、抜かれにくくなるよ。」

非難的な言葉
「パスが全然通らないな。」
建設的なアドバイス
「プレーを始める前に、もう少し相手の動きを確認しておくと、成功率が上がるよ。」

非難的な言葉
「お前のプレーはいつも同じミスばっかりだな。」
建設的なアドバイス
「ここ数試合で同じパターンのミスがあるから、一緒に映像を見て修正点を考えよう。」

建設的なフィードバックと非難の違いを理解し、適切な形で意見を受け取り、伝える力を養う。

3.フィードバックを受ける際に、要点を整理して理解する

フィードバックを受けた際に、感情的にならず、内容を冷静に整理することが重要である。
指摘された点を理解し、具体的な改善策を考えることで、より効果的に成長できる。

試合後のコーチの指摘を整理する
「コーチから『もっと視野を広く持て』と言われたが、具体的にどう改善すればいいのかを考える。」

チームメイトからの助言を受け止める
「仲間が『声をもっと出した方がいい』と言ってくれたので、具体的にどんな場面で指示を出せば効果的かを考える。」

トレーニングのフィードバックを分析する
「トレーナーが『フォームを修正しよう』と言ったので、動画を撮って自分の動きを確認する。」

フィードバックを整理することで、自分の成長に活かしやすくなる。

4.建設的なフィードバックに対して、感謝の意を示す方法を学ぶ

フィードバックを受ける際には、指摘に対して前向きな姿勢を示し、感謝を伝えることが大切である。
これにより、指導者やチームメイトとの関係を良好に保ち、より良いフィードバックを継続して受け取ることができる。

試合後のアドバイスに対する反応
「コーチ、指摘理解しました!次の練習で意識して改善します。」

チームメイトの助言に対する返答
「ありがとう!試してみるよ!」

トレーニング中の指導への反応
「アドバイスのおかげで動きが良くなりました!引き続きよろしくお願いします!」

フィードバックを素直に受け取り、感謝の意を示すことで、より良い関係性を築くことができる。

5.受け取ったフィードバックを記録し、後で振り返る習慣を作る

フィードバックは一度受けただけでは成長につながりにくいため、記録し、定期的に振り返る習慣を持つことが重要である。

試合後にノートを活用
「試合のフィードバックをノートにまとめ、次の試合に向けて課題を整理する。」

練習後の動画分析
「コーチの指導内容を動画に記録し、自分の動きを確認する。」

チームミーティングの振り返り
「フィードバックを共有し、全員で課題を再確認する。」

フィードバックを記録し、定期的に振り返ることで、成長を継続的に促すことができる。

6.自分がチームメイトに与えるフィードバックも建設的であるか確認する

フィードバックを受けるだけでなく、自分が他者に与えるフィードバックも建設的であるかを意識することが重要である。
単なる評価ではなく、相手が成長できるような具体的で前向きなアドバイスを心がけることで、チームの信頼関係が強まり、より良いパフォーマンスにつながる。

試合中のプレーに関するフィードバック
非難的な言葉
「なんであの場面で自分にパスを投げなかったんだよ!」
建設的なフィードバック
「次の試合では、プレッシャーを受ける前に一度視線を広げるとパスの選択肢が増えると思うよ。」

トレーニング時のアドバイス
非難的な言葉
「もっとちゃんと走れよ!」
建設的なフィードバック
「スプリントの最後の3秒を意識して加速すると、試合でもラストスパートが強くなると思うよ。」

チームメイトのリーダーシップに関するフィードバック
非難的な言葉
「お前の指示、よくわからないんだけど。」
建設的なフィードバック
「プレーの意図をもう少し明確に伝えてもらえると、動きやすくなると思う!」

フィードバックを与える際には、相手が前向きに受け取れるような言い方を工夫し、具体的な改善点を示すことが大切である。

【追加項目】フィードバックの伝え方を改善する
フィードバックを適切に伝えることで、チームメイトのモチベーションを高め、全員の成長を促すことができる。
適切なタイミングや言葉選びを意識し、相手がポジティブに受け取れるようにすることが重要である。

試合直後ではなく、落ち着いた場面で伝える
試合直後は感情的になりやすいため、冷静になれる時間を置いてから伝える。

「お前」ではなく、「プレー」に焦点を当てる
「お前はミスが多い」→「このプレーでの判断を次回改善すると、より効果的だと思う」

ポジティブな要素を入れる
「パスの精度は上がってきているから、次はスピードを意識するとさらに良くなると思う!」

フィードバックは相手の成長を促すものであり、適切な伝え方を意識することで、チーム全体のパフォーマンス向上につながる。

アドバイス

設的なフィードバックは、成長を促すための貴重なアドバイスであり、単なる批判とは本質的に異なります。
フィードバックは、相手を否定するためのものではなく、より良い未来を切り開くための道しるべであることを理解してください。

受け取ったフィードバックは、感情的に受け止めるのではなく、要点を整理して冷静に受け入れ、具体的な改善につなげていくことが大切です。そして、その貴重な意見に対しては、素直に感謝の気持ちを持つことを忘れないでください。
フィードバックを記録し、振り返る習慣をつけることで、学びを確実に自分の成長へとつなげることができます。

積み重ねた改善の努力が、やがて競技力の向上とチーム全体の発展へと結びついていくのです。
また、自分がチームメイトにフィードバックを伝えるときも、相手が前向きに受け止め、行動に移せるような言葉選びと伝え方を意識しましょう。

フィードバックの目的は「非難すること」ではなく、「互いに成長を促し合うこと」です。
伝えるタイミングや言い方にも気を配りながら、互いに高め合えるチーム文化を育てていきましょう。
自分の一言が、仲間の力を引き出し、チームの未来を変える力になります。
前向きなフィードバックを武器に、共に強く、しなやかに成長していきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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