24-1:問題を明確にするスキルを学ぶ

24週目:問題解決力の向上
【目 標】
・問題を正確に特定し、原因を分析したうえで効果的な解決策を導き出す力を養う。
・計画的に実行し、失敗を振り返りながら迅速な判断力と柔軟な対応力を高める。
・チーム全体で協力し、解決プロセスを共有することで継続的な成長につなげる。

24-1:問題を明確にするスキルを学ぶ
問題を正確に特定し、状況を整理する方法を学ぶ。
問題が発生した背景や原因を調査し、記録する。
問題の規模や影響範囲を明確にするために、質問を活用する。
問題を優先順位付けし、取り組むべき順番を決める。
チームメイトと情報を共有し、共通の理解を深める。
問題を細分化し、解決可能な単位に分ける方法を練習する。

「問題を明確にするスキルを学ぶ」ことを考えます。
競技の現場では、試合中のトラブルや練習の課題など、瞬時の判断が求められる場面が多くあります。
適切に問題を特定し、アイデアを生み出し、計画を立てて実行する力を身につけることが重要です。また、失敗から学ぶことで、個人の成長だけでなくチーム全体の発展にもつなげていきます。
個人の能力を高めると同時に、チームで協力しながら課題に取り組む力を養いましょう。

1.問題を正確に特定し、状況を整理する方法を学ぶ。

問題を明確にしないまま対処しようとすると、的外れな解決策を取ることになる。
まずは、何が問題なのかを正確に特定し、状況を整理するスキルを身につけることが重要である。

試合中のパスプレーが成功しない
パスの精度、レシーバーの動き、相手ディフェンスの戦略など、どの要因が問題なのかを分析する。

練習の成果が試合で発揮されない
試合環境、プレッシャー、相手の研究など、影響を与える要因を整理する。

チーム内のコミュニケーションが不足している
どの場面で伝達ミスが起きるのか、どのような情報共有が不足しているのかを把握する。

問題を特定する際は、感覚的な判断ではなく、事実に基づいて整理することが重要である。
状況を把握し、根本的な課題を明確にすることで、的確な解決策を導き出すことができる。

2.問題が発生した背景や原因を調査し、記録する。

問題が発生した背景を理解し、原因を特定することは、同じ失敗を繰り返さないために不可欠である。
データや記録を活用し、どのような条件で問題が発生したのかを整理する。

試合の映像を分析し、プレーの課題を特定する
失敗したプレーの映像を確認し、どこで判断ミスがあったのかを調べる。

過去の試合の統計データを使い、問題点を明確にする
相手チームとの過去のチャートや、自チームのプレー傾向を分析する。

練習中のフィードバックを記録し、問題を明確にする
コーチの指摘や選手の自己評価をまとめ、改善点を見つける。

感覚や印象だけで問題を判断するのではなく、客観的なデータや記録を基に分析することが大切である。
事実を積み重ねることで、より効果的な解決策を導き出すことができる。

3.問題の規模や影響範囲を明確にするために、質問を活用する。

問題がチーム全体に与える影響を把握するためには、「誰が」「どのように」影響を受けているのかを分析する必要がある。
そのためには、適切な質問を活用し、問題の規模を明確にすることが重要である。

この問題が解決しないと、どのような影響が出るのか?とチーム全体に問いかける。

なぜこの問題が起きたのか?を5回繰り返し、根本原因を探る。

この問題が他のプレーや戦略にどのような影響を与えるのか?を考える。

問題解決には、適切な質問を用いることで、より具体的な情報を引き出すことができる。
影響範囲を明確にすることで、優先順位をつけ、効率的に解決へと導くことができる。

4.問題を優先順位付けし、取り組むべき順番を決める。

チームが直面する問題には大小さまざまなものがあり、全てを同時に解決することはできない。
そのため、影響度や緊急度を考慮し、優先順位をつけることが重要である。

・試合直前の戦略変更が必要な場合は、短期的な解決策を優先する。
・フィジカルの強化など、長期的に影響を与える課題は計画的に改善する。
・チームメイトのモチベーション低下など、心理的な課題にも適切なタイミングで対応する。

優先順位を決めることで、リソースを適切に配分し、効果的な問題解決が可能となる。
状況に応じた柔軟な判断力も求められる。

5.チームメイトと情報を共有し、共通の理解を深める。

問題解決の際には、個人だけでなくチーム全体が状況を把握し、共通の理解を持つことが重要である。
情報の共有が不十分だと、異なる認識のまま行動することになり、効果的な問題解決が難しくなる。

・試合前のスカウティングレポートで、対戦相手の特徴や弱点を共有する。
・練習中に問題が発生した場合、ポジションごとに情報を集め、状況を整理する。
・試合後の振り返りミーティングで、各自が気づいた課題を共有し、全員の理解を統一する。

情報共有を徹底することで、チーム全体が同じ認識を持ち、効果的な問題解決が可能となる。
特にフットボールでは、一人ひとりの理解度がプレーの質に大きく影響するため、積極的な情報交換が求められる。

6.問題を細分化し、解決可能な単位に分ける方法を練習する。

大きな問題に直面したとき、全体を一度に解決しようとすると混乱しやすい。
そのため、問題を細分化し、小さな単位ごとに取り組むことで、解決しやすくなる。

ディフェンスの崩壊が問題になった場合
どのポジションで崩れたのかを特定し、個別の課題として対策を立てる。

チームの士気が低下している場合
練習方法、試合の結果、メンタル面など、原因を細かく分けて対応する。

戦術がうまく機能していない場合
プレーブックを細かく分析し、どのプレーが問題なのかを検証する。

問題を小さく分解することで、解決策を明確にし、より実行しやすくなる。
特にチームスポーツでは、個々の課題を整理することで、全体のパフォーマンス向上につながる。

アドバイス

問題解決の第一歩は、問題を正確に特定し、明確にすることです。
目の前に起こった事象を表面的に捉えるのではなく、背景や原因を深く掘り下げ、影響範囲をしっかりと分析する力が求められます。特にスポーツの現場では、即座に対応を求められる場面も多く、素早く問題を整理し、適切な優先順位をつける判断力が重要です。

そのためにも、常に「何が起こっているのか」「なぜ起こったのか」「どこに一番の影響が出ているのか」を冷静に問い直す習慣を持ちましょう。また、問題は一人で抱え込むものではありません。
チームメイトと情報を共有し、共通認識を持つことで、より効果的かつスピーディーに解決へと導くことができます。問題を細分化し、取り組みやすい単位に分けていくスキルも大切です。

一つずつ確実にクリアしていくことで、大きな壁も乗り越えられる力が身についていきます。
問題を明確にする力を磨くことは、チーム全体の成長に直結することを忘れないでください。
個人の冷静な分析と行動が、チームを次のステージへと押し上げる力となります。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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