[27週]: [尊敬される人間になる]
【目標】
・競技力のみならず、人間としての在り方を見つめ直し、周囲から信頼と敬意を集める資質を育むことを目標とする。
・尊敬とは、単にリーダーシップや実力だけで得られるものではなく、日々の言動、姿勢、誠実な振る舞いの積み重ねによって築かれるものである。
・チームという集団の中で周囲から尊敬される存在になることは、自身の影響力を高めるとともに、チーム全体の士気や結束力を向上させる鍵となる。
27-1:誠実さを持つ
嘘をつかず、正直な姿勢で行動することの大切さを学ぶ。
約束を守り、信頼を積み重ねる習慣を作る。
失敗を認め、責任を取ることの重要性を理解する。
チームメイトやコーチに対し、誠実な態度を示す方法を考える。
短期的な利益よりも、長期的な信用を優先する価値観を持つ。
試合や練習において、正々堂々としたプレーを心がける。
「誠実さを持つ」ことについて考えます。
誠実さとは、信頼関係の基礎であり、人としての価値を決定づける最も根源的な要素です。
嘘をつかず、責任を引き受け、正々堂々と行動することは、アスリートとしてだけでなく、人間として尊敬を集める土台となります。誠実な態度がいかに周囲の信頼を築き、自身の人格を高めるかを考察します。
1.嘘をつかず、正直な姿勢で行動することの大切さを学ぶ
誠実さの基本は、言葉と行動に偽りがないことである。
たとえ失敗しても正直に伝える姿勢が信頼を築く土台となる。
練習中のミスを報告する勇気
守備練習でポジショニングミスをしてしまった際、黙ってやり過ごすのではなく、自らコーチに報告し次の練習で修正した。
学業における正直な対応
レポートの提出期限を過ぎたとき、言い訳ではなく正直に理由を話し、ペナルティを受けたうえで次回に生かした。
スカウティング情報の共有における誠実さ
他チームの情報を分析する際、誇張せず事実だけをチームに伝えることで、正確な戦略立案ができた。
2.約束を守り、信頼を積み重ねる習慣を作る
小さな約束を守ることの積み重ねが、チームメイトからの信頼につながる。
時間厳守や提出物の管理なども立派な約束の一つである。
練習開始10分前集合を継続する
チーム全体の規律が生まれ、「○○は必ず来ている」という安心感につながった。
ビデオ分析の分担を期日通りに提出
分担作業の中で、期限を守ることで仲間の作業効率を支えた。
自主練の相手をすると約束したとき
自分の都合が悪くなっても代替案を提示するなど、相手の信頼を損なわない行動をとった。
3.失敗を認め、責任を取ることの重要性を理解する
失敗を隠すのではなく認めることこそが、誠実なリーダーシップの第一歩である。
責任を取ることで、人はさらに成長する。
試合中の反則を申告した場面
レフェリーに気づかれなかった反則を自ら申告し、結果としてチームの信頼を得た。
トレーニングメニューの誤った共有を訂正する
自らの誤りに気づいた瞬間に正直に訂正し、信頼の維持につながった。
新入生の指導におけるミスを謝罪
後輩への誤ったアドバイスを認め、すぐに修正することで、模範となる態度を示した。
4.チームメイトやコーチに対し、誠実な態度を示す方法を考える
誠実さは、言葉だけでなく日々の態度に表れる。
特に信頼関係の鍵となるチーム内においては、相手の期待を裏切らない一貫した姿勢と、裏表のない言動が求められる。
常に挨拶とアイコンタクトを忘れない
練習開始・終了時にコーチへ一礼と挨拶を欠かさず、互いの信頼の土台を築いている。
アドバイスを真摯に受け止める姿勢
コーチの指摘に対して反論せず、一度受け止めて改善に取り組む姿勢を貫いた。
他人の陰口に加わらない
チームメイトが不在時の会話でもその人の悪口を言わず、常に尊重の姿勢を貫いた。
5.短期的な利益よりも、長期的な信用を優先する価値観を持つ
目先の結果にとらわれず、長期的な信頼と関係性の構築を優先する価値観を持つことは、真に尊敬される人間になるために不可欠である。
スタメンに選ばれるための過度なアピールを控える
仲間を蹴落とすような行動はせず、日々の努力と姿勢で実力を認めさせた。
練習での手抜きをしない
急な疲労があっても、練習での手を抜かず、積み重ねる姿勢を徹底した。
SNSでの発信を慎重に行う
チームや大学の信頼を損ねないよう、炎上につながる投稿を控え、言葉を選んで発信した。
6.試合や練習において、正々堂々としたプレーを心がける
スポーツマンとしての誠実さは、プレー中の態度に最も色濃く現れる。
正々堂々としたプレーは、相手チームや観客からの信頼と敬意をも獲得する。
反則すれすれのプレーを避ける
勝利のためでも、相手の安全を脅かす行為は避け、公正な戦いを選んだ。
相手がケガをしたときに即座に声をかける
試合中であっても、相手が倒れたら駆け寄り、スポーツマンシップを見せた。
ジャッジへの過度な抗議を控える
判定に納得がいかない場面でも冷静に対処し、チームの印象を守る行動をとった。
アドバイス
誠実さはスポーツの枠を超えて、人間性の基盤をつくります。
表裏のない態度、正直な行動、そして長期的な信頼を築こうとする姿勢は、結果以上に大きな価値を持ちます。
学生スポーツの環境においてこそ、誠実さは仲間の信頼を生み、チーム文化を形成する力となります。
日々の選択と行動の積み重ねが、自分自身を尊敬される存在へと育ててくれることでしょう。

