27-3:他人の成功を喜ぶ

[27週]: [尊敬される人間になる]
【目標】
・競技力のみならず、人間としての在り方を見つめ直し、周囲から信頼と敬意を集める資質を育むことを目標とする。
・尊敬とは、単にリーダーシップや実力だけで得られるものではなく、日々の言動、姿勢、誠実な振る舞いの積み重ねによって築かれるものである。
・チームという集団の中で周囲から尊敬される存在になることは、自身の影響力を高めるとともに、チーム全体の士気や結束力を向上させる鍵となる。

27-3:他人の成功を喜ぶ
チームメイトの成功を自分のことのように喜べる心を育てる。
ライバルや競争相手の成長を妨げず、フェアな姿勢を保つ。
試合での活躍だけでなく、日々の努力や成長に目を向ける。
チームの勝利を優先し、自分のエゴを抑える心構えを持つ。
嫉妬心をポジティブなエネルギーに変換する方法を考える。
周囲の頑張りに対して、自然に「すごい」「頑張ったな」と声を掛けられる習慣をつける。

「他人の成功を喜ぶ」ことについて考えます。
他人の成功を素直に喜ぶ力は、人間関係における信頼を育み、チームの団結力を高めるうえで重要な素養です。
他者の成果を認める姿勢は、自らの成長の視野を広げ、謙虚さと学びの姿勢を育むことにもつながります。嫉妬や過度な競争心を乗り越え、建設的に周囲と関わる力を養うことを目指していきます。

1.チームメイトの成功を自分のことのように喜べる心を育てる

仲間の活躍を自分の成果のように受け入れることは、チーム全体の士気を高めるだけでなく、自身の人間力を深める要素となる。

ポジション争いの場面での拍手
自分が出場できなかった試合で、ライバル(チームメイト)の活躍に素直に拍手を送る姿勢が、信頼と尊敬を生む。

タッチダウンを讃える声かけ
「ナイスプレー!本当にかっこよかった」と本心から声をかけた。

SNSでの前向きなコメント
チームメイトの表彰や記事に対して、自分の言葉で祝福のコメントを発信する。

心から仲間を称える姿勢は、信頼関係を強化し、強固なチーム文化の土台を作る。

2.ライバルや競争相手の成長を妨げず、フェアな姿勢を保つ

競争の中にあっても、相手の成長や努力を尊重する姿勢が、真のアスリートの在り方である。

練習でのアドバイス提供
自分がライバルであっても、技術的なポイントを教え合う姿勢。

ポジションを奪われたときの対応
出場機会を逃しても、相手の努力を評価し、支える姿勢を貫く。

相手チームの好プレーへの拍手
公式戦での相手選手の健闘を称え、拍手を送る行動。

フェアな競争を支える姿勢は、尊敬される選手としての品格を高める鍵である。

3.試合での活躍だけでなく、日々の努力や成長に目を向ける

人は結果だけでなく、努力の過程を見て認められることで、より深く結びつくことができる。

トレーニング後の労いの言葉
毎日遅くまで残って練習する仲間に対して、「継続しててすごい」と声をかける。

練習記録への共感
仲間の成長記録(例:ベンチプレス自己ベスト)を自分のことのように喜ぶ。

フォーム改善を称える
地味な基礎練でフォームが改善された仲間に、「その努力、ちゃんと見てるよ」と声をかける。

日々の地道な成長に目を向ける視点を持つことは、仲間への深い敬意と共感を生む。

4.チームの勝利を優先し、自分のエゴを抑える心構えを持つ

個人の成果や出場機会に固執せず、チーム全体の目標達成を最優先に考える姿勢が、真に尊敬される選手の条件である。
エゴを抑えることは自己否定ではなく、成熟した自己管理能力の表れである。

ベンチでも声を出し続ける選手
出場できなくても、仲間のプレーに声援を送り続けることで、勝利に貢献する姿勢。

自分のプレーよりアシストを優先
タッチダウンよりもブロックやサポート役を選び、チームの得点に貢献する選手。

采配に異論があっても受け入れる
自分の出場が見送られた戦術的判断に対して、感情を抑えて従い、サポートに回る姿勢。

エゴを抑え、チームのために献身できる人物こそ、真に信頼されるアスリートである。

5.嫉妬心をポジティブなエネルギーに変換する方法を考える

誰もが感じる嫉妬心を否定するのではなく、それを自己成長の糧に転化する思考力を身につけることが、継続的な人間的・競技的成長を支える。

悔しさを筋トレのモチベーションに変える
同じポジションの仲間が褒められた翌日に、自分は1セット多くウエイトを行う決意。

上達した仲間に技術を聞きに行く
差を感じた時こそ、素直に学ぶ姿勢を持ち、自らの課題に転換する。

目標を再設定する
嫉妬を感じた瞬間、感情に流されず「次は自分が〇〇を達成する」と新たな目標を設定する。

嫉妬心は誰もが抱く自然な感情である。
それを受け入れ、前向きな行動に変換することが人間的成長の一歩である。

6.周囲の頑張りに対して、自然に「すごい」「頑張ったな」と声を掛けられる習慣をつける

人の努力を見逃さず、素直に称える言葉を届けることは、信頼関係を深めるとともに、自分自身の人間性も磨かれる習慣となる。

練習後の一言「おつかれ、いい動きだったね」
内容を具体的に褒めることで、相手に伝わる評価になる。

チームミーティングでの仲間の発言に「ナイス意見」
アイデアや勇気ある発言を見逃さず、その場で称える。

SNSで仲間の成果を紹介・共有
SNS上でも「この努力すごい!」「感動した!」など、自然体のコメントを投稿する。

良い行動を見て、すぐに「すごい」と言える人間は、周囲に安心感と信頼を与える。
言葉には人を動かす力がある。

アドバイス

他人の成功を喜ぶ姿勢は、謙虚さと人間的成熟を映す鏡です。
他者を素直に称えることができる選手は、周囲から信頼され、自然と尊敬を集めます。
成功とは自分ひとりのものではなく、周囲との関わりの中で完成されていくものです。
このような姿勢を持つことで、自らの成長もより深まり、チーム全体の成功にも貢献できる存在となります。
自分のプライドにこだわるのではなく、仲間と共に高め合う姿勢を大切にしてほしいと思います。

他者の成功を称えられる人は、器の大きな存在として尊敬され、チームに安心と調和をもたらします。
感情に振り回されることなく、ポジティブに思考を切り替えられる人こそ、信頼されるリーダーへと成長していきます。
日々の一言やひとつひとつの態度が、人を変え、組織を変えていきます。
成功を共に喜べる力を、今のうちから大切に育んでいってください。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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