[27週]: [尊敬される人間になる]
【目標】
・競技力のみならず、人間としての在り方を見つめ直し、周囲から信頼と敬意を集める資質を育むことを目標とする。
・尊敬とは、単にリーダーシップや実力だけで得られるものではなく、日々の言動、姿勢、誠実な振る舞いの積み重ねによって築かれるものである。
・チームという集団の中で周囲から尊敬される存在になることは、自身の影響力を高めるとともに、チーム全体の士気や結束力を向上させる鍵となる。
27-7:リーダーシップを発揮する
立場に関係なく、リーダーシップを発揮できる場面を見つける。
言葉だけでなく、態度や行動でチームを引っ張る。
チームの雰囲気を良くするために、積極的にコミュニケーションをとる。
苦しい状況でも冷静に判断し、周囲に安心感を与える。
困っている人がいたら、率先して助ける習慣をつける。
試合中だけでなく、日常生活でもリーダーシップを意識する。
「リーダーシップを発揮する」について考えます。
リーダーシップとは、単に役職や肩書きを持つ人に限られるものではありません。
自らの行動を通じて周囲を導き、励まし、支える姿勢こそが、真のリーダーシップといえます。
チームの中心でなくても、さまざまな場面で自分にできる貢献を見つけて実行することで、信頼と影響力は自然と育まれていきます。リーダーシップとは、特定の役職や肩書きに依存するものではなく、チームの目標達成に向けて主体的に行動し、周囲に良い影響を与える力なのです。
フットボール部において、すべてのメンバーがそれぞれの立場でリーダーシップを発揮することは、チームの結束力と成果を高めるうえで欠かせません。
1.立場に関係なく、リーダーシップを発揮できる場面を見つける
リーダーはキャプテンや幹部だけではない。
日々の練習やミーティングの中にも、主体性を持って周囲に働きかける機会は無数に存在している。
まずは、自らがチームに何をもたらせるかを見つける視点を持つことが重要である。
用具準備を率先
誰よりも早くグラウンドに出て道具を整える姿勢
清掃への気配り
部室や更衣室の整理整頓を黙って行う習慣
見えない配慮
練習メニューを記録し、忘れている仲間に共有する行動
2.言葉だけでなく、態度や行動でチームを引っ張る
リーダーの言葉には重みがある。しかし、その言葉の裏づけとなるのは常に日頃の態度や行動である。
どれだけの誠実さをもって日々を積み重ねているかが、説得力を決定づける。
誰よりも声を出す
練習中の声出しで雰囲気を支える
誰よりも残って練習
自主練を一貫して継続する姿
自らの非を認める
失敗時に言い訳せず、責任を取る姿勢
3.チームの雰囲気を良くするために、積極的にコミュニケーションをとる
リーダーは全体の空気を読む力に長けていなければならない。
沈黙している者、悩んでいる者に声をかけ、チームの温度を整える。その積極性が信頼を生む。
気まずい空気の打破
ミスが続いた仲間に「大丈夫」と声をかける
孤立防止
新人を輪に入れる工夫を忘れない
励ましのリーダー
努力している後輩に「見てるよ」と声をかける
4.苦しい状況でも冷静に判断し、周囲に安心感を与える
逆境の中で感情を乱さず、冷静に状況を捉え直す力は、チーム全体を安定させるリーダーシップの根幹である。
焦りを見せないことが、周囲を落ち着かせる。
失点直後の冷静な声掛け
「次を止めよう」と建設的に伝える
ミスの切り替え
自らのミスのあとに笑顔で戻り流れを断たない
緊急時の判断
けが人発生時に率先してコーチに報告し対応する
5.困っている人がいたら、率先して助ける習慣をつける
「気づいたら、動く」。このシンプルな習慣が、周囲からの尊敬と信頼を生む。
仲間の困難に寄り添えることが、組織の一体感を高める。
練習後の荷物運び
足を痛めた後輩を無言でサポート
プレーで悩む仲間
自主練で付き合い、ともに考える姿
新入生の相談相手
生活面の不安を聞き、部活外でも気にかける
6.試合中だけでなく、日常生活でもリーダーシップを意識する
リーダーはフィールドの上だけで完結しない。
食事、授業、SNSなど、生活すべての言動が「チームの顔」となる。全てに一貫した姿勢を持つことが求められる。
授業での姿勢
真剣に授業を受けることで後輩の学業意識を高める
公共の場での礼儀
部の名を背負っているという自覚ある態度
SNSでの投稿
不適切な内容を避け、常に誰かが見ている意識を持つ
アドバイス
リーダーシップとは、肩書きではなく、行動によって証明されるものです。
静かに率先し、誰よりも早く動き、最も多く支える人こそが、周囲から信頼と敬意を集めます。
リーダーを演じるのではなく、「リーダーである」姿を日常の中で実践することが大切です。
それこそが、真に尊敬される人間への第一歩となります。

