32-1:リスクを予測する

[32週]: [危機管理と対応力]
・危機的状況においても冷静に判断・行動できる力を身につけ、競技中のリスクを最小限に抑える能力を養う。
・自らの役割を理解し、チーム全体でリスクを予測・共有することで、迅速かつ的確な対応力を高める。
・危機を乗り越えた経験を次の糧とし、試合の流れを自らの力で有利に導く主体的な姿勢を確立する。

32-1:リスクを予測する
試合や練習で起こり得るリスクをリストアップする。
怪我や体調不良を防ぐための準備やウォーミングアップを徹底する。
天候や相手チームの戦略変更など、予期せぬ要素を想定する。
リスクが発生した際にどのように対応するか、事前に計画を立てる。
リスク予測をチーム全体で共有し、対応策を事前に確認する。
自分だけでなく、チームメイトのリスクマネジメントにも関心を持つ。

「リスクを予測する」ことを考えます。
リスクを予測する力は、フットボールの試合や練習においてチームを守るために欠かせません。
事故やトラブルが起こる前に、どのようなリスクがあるかを事前に考え、準備することが、冷静な対応やチーム全体の安定に繋がります。理解を深め、危機を未然に防ぐ意識と行動を身につけましょう。

1.試合や練習で起こり得るリスクをリストアップする

リスクを把握する第一歩は、可能性のある事象を洗い出すことである。
網羅的なリスクリストは対応力の基礎となる。

練習中の熱中症リスクを想定する
夏季練習に備えて水分補給のルールをチームに提案する。

プレー中の接触による怪我を意識する
接触の多い場面での注意事項をミーティングで共有する。

トレーナーが練習施設の安全性を確認する
スパイクによる滑倒の危険箇所を事前にチェックする。

起こり得るトラブルを言語化し、共有することがリスク管理の第一歩である。

2.怪我や体調不良を防ぐための準備やウォーミングアップを徹底する

準備不足は故障や事故の原因となる。
適切な準備によってリスクを最小限に抑えることが可能である。

独自のストレッチルーチンを実践する
自分の体調と部位に応じたケアを怠らない。

トレーナーが練習前に全体で気象状況を確認する
気温・湿度に応じて水分補給のタイミングを管理する。

睡眠管理アプリで体調を管理する
毎日のコンディションを記録し、過労を防ぐ。

リスクを予測した上での準備とケアが、継続的なプレーの基盤を支える。

3.天候や相手チームの戦略変更など、予期せぬ要素を想定する

突発的な変化への対応には、事前のシナリオ設計が欠かせない。
不測の事態も想定内に変える力が求められる。

雨天時の試合を想定したK/Pユニットの練習
滑るボールを扱う練習を重ね、安定感を高める。

急なポジション変更を想定した準備
代替プレーを事前に練習し、非常時にも適応する。

相手守備戦術の変更に備えた反復練習
ゲーム中の急なブリッツ対応の選択肢を整理する。

どんな予期せぬ変化も、事前の想定と訓練によって対応力が備わる。

4.リスクが発生した際にどのように対応するか、事前に計画を立てる

事前に対応シナリオを持つことは、危機に陥ったときの冷静な判断に直結する。

プレー中の怪我に備えて代替選手を明確にする
各ポジションに緊急時のローテーションを設定しておく。

電車遅延に備えて集合時間を早めに設定する
全体の移動行動に余裕を持たせたことで混乱を回避する。

応急処置の流れを全員で確認する
怪我発生時に迷わず迅速に行動できる。

危機対応計画は、問題が起きたときの「安心材料」である。

5.リスク予測をチーム全体で共有し、対応策を事前に確認する

個人だけでなく、チームとして危機を共有する文化が強い組織を育てる。

幹部がリスク管理ミーティングを定期開催する
定期的に課題を洗い出し、共有・改善を図った。

練習中の注意点をホワイトボードに明示する
全員が視覚的にリスクを意識できる工夫をする。

ユニットごとの試合毎の試合対応をコーチ陣が示す
各ユニットで特有のリスクを洗い出す。

チーム全体が同じ視点でリスクを認識することで、危機への耐性が高まる。

6.自分だけでなく、チームメイトのリスクマネジメントにも関心を持つ

自分の安全だけでなく、仲間を気にかける姿勢が組織全体の安全意識を高める。

体調の悪そうな仲間に声をかける
軽い脱水症状を見逃さず、早期に対応できる。

仲間のヘルメットの破損に気づき、交換を提案
周囲の安全確認によって怪我を未然に防ぐ。

夏練習時の急激な天候変化を想定する
カミナリが遠方でなった時点で練習を中止し、危機回避の一手につながる。

一人ひとりの配慮が、チームの安全文化をつくる礎となる。

アドバイス

リスクを予測し、事前に準備しておくことは、勝利への土台を築くとともに、仲間を守る責任ある行動です。
危機は誰にでも起こりうるからこそ、冷静に考え、備える力が真の強さに繋がります。
自分と仲間、チーム全体の未来を守るために、今からできる小さなリスクマネジメントを実践していきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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