34-5:共感とリーダーシップを結びつける

[34週]: [共感力を養う]
・チームメイトの感情や立場を理解し、信頼関係を築くことで、連携力とパフォーマンスの向上を図る力を養う。
・対立を未然に防ぎ、円滑なコミュニケーションを実現するための共感的態度を習慣化する。
・スポーツの場面だけでなく社会においても通用する、人間的なリーダーシップの土台として共感力を高める。

34-5:共感とリーダーシップを結びつける
リーダーシップを発揮するためには、共感力が不可欠であることを理解する。
チームメイトの意見を尊重し、誰もが意見を言いやすい環境を作る。
チームの課題や悩みに耳を傾け、全員で解決策を考える。
試合中、状況に応じた声かけを行い、チームの士気を高める。
共感力のあるリーダーは、自然とチームの信頼を得ることができる。
共感を持ってリードすることで、より強いチームを作ることができる。

「共感とリーダーシップを結びつける」ことを考えます。
共感力はリーダーシップに欠かせない要素です。他者の感情や意見に寄り添い、信頼関係を築くことで、リーダーはより強いチームを導くことができます。共感力を土台にしたリーダーシップのあり方を学び、日々の行動にどう落とし込むかを考えます。

1.リーダーシップを発揮するためには、共感力が不可欠であることを理解する

リーダーシップとは指示や統率だけでなく、仲間の感情や状況を理解する力が求められる。
共感は信頼の土台である。

失敗を責めずに受け止める姿勢
ミスをした仲間に対して「大丈夫、一緒に取り返そう」と声をかけ、責めるのではなく寄り添う姿勢を見せる。
共感によって安心感を与え、信頼関係を築くリーダーのあり方を示す。

気持ちを汲んで背中を押す
試合に出られず悩んでいた後輩に対し、「次に向けて一緒に準備しよう」と前向きな言葉で支える。
仲間の気持ちを理解し、再挑戦を後押しする共感的リーダーシップの例。

心を開かせる聞き手
意見を出すのが苦手な部員に「どう思う?」とやさしく問いかけ、発言のきっかけをつくる。
相手の立場を尊重する姿勢が、信頼と対話の文化を育てる。

共感があるからこそ、信頼されるリーダーが生まれる。

2.チームメイトの意見を尊重し、誰もが意見を言いやすい環境を作る

意見を言える安心感が、チーム全体の活性化につながる。
共感に満ちた空気が、多様な声を引き出す。

発言を歓迎する空気づくり
チームミーティングにおいて「どんな意見も聞かせて」と声をかけ、誰もが安心して発言できる雰囲気をつくる。
共感的な姿勢を示すことが、チーム全体の対話の活性化を促進する。

発言後のフォロー
意見を述べた後輩に対して「いい視点だね」と即座に反応し、安心感と自信を与える。
共感を伴う受け止めの姿勢が、個々の成長と積極性を引き出す契機となる。

少人数での対話の場を設ける
発言に不安を持つメンバーに対し、個別の対話の時間を設けて思いを引き出す工夫をする。
共感的な関わりによって、チーム内の多様な声を可視化する土台を築く。

意見を尊重することが、リーダーシップの土壌を整える。

3.チームの課題や悩みに耳を傾け、全員で解決策を考える

共感の姿勢で課題に向き合えば、リーダーは孤立せず、仲間とともに成長できる。
協力型リーダーシップの核である。

自分ごととして受け止める
全体練習で明らかとなった課題を一人で抱え込まず、ポジションリーダーと共に改善策を検討した。
チーム全体の課題を自らの責任として引き受ける姿勢が、信頼と協働を生むリーダーシップを形成する。

不満の声を無視しない
後輩から寄せられた練習環境への不満に対し、「大切な意見である」と真摯に耳を傾け、軽視することなく対応した。
共感的な姿勢が信頼を育み、建設的な対話と改善への流れを生む。

小さな声にも耳を傾ける
普段あまり発言のないメンバーに対して、個別の時間を確保して率直な思いを丁寧に聞き取った。
どのような声も大切にする姿勢が、組織の一体感と多様性を引き出す基盤となる。

共に考える姿勢が、リーダーの信頼を深める鍵となる。

4.試合中、状況に応じた声かけを行い、チームの士気を高める

その場の状況や仲間の感情を読み取った声かけが、リーダーの影響力を高める。
共感に裏付けられた言葉が、心を動かす。

落ち込む仲間に寄り添う
ターンオーバー後に肩をたたき、「次で取り返せる」と前向きな声をかけた。
失敗を責めるのではなく支える言葉をかけることが、仲間の再起を後押しする力となる。

ピンチの場面での鼓舞
失点直後に「まだ勝てる!」と力強く叫び、全体の士気を高めた。
劣勢を覆す空気をつくる声が、チームのエネルギー源となる。

冷静さを促す言葉
焦りが見え始めた局面で「落ち着いていこう」と静かに語りかけた。
感情の波を整える言葉が、全体の安定を支える要因となる。

声かけには、共感と状況把握の力が問われる。

5.共感力のあるリーダーは、自然とチームの信頼を得ることができる

リーダーに必要なのは、威厳よりも信頼である。共感力がそれを生み出す最大の要素である。

頼られる存在になる
試合前に「不安でも一緒にやろう」と声をかけたことで、仲間に安心と余裕を与える。
共感に根ざした言葉が、信頼の基盤を形成する。

苦しいときに支えとなる
連敗が続く中でも焦らずに仲間の声に耳を傾け、誰よりも冷静にチームを支える。
揺るがぬ姿勢が、集団に安心感と安定をもたらす。

背中で示す信頼
黙々と練習に励む姿勢が、言葉以上に信頼を醸成する。
誠実な行動の継続が、自然な形でリーダーシップを生み出す。

共感を行動に移すことが、リーダーとしての信頼を育てる。

6.共感を持ってリードすることで、より強いチームを作ることができる

共感に基づくリーダーシップは、チームに安心感と主体性をもたらす。
仲間を信じ、仲間に信じられることで強い絆が生まれる。

リーダーが空気を作る
チームに重苦しい空気が漂った場面で、自ら笑顔を見せて場を和ませる。
リーダーの感情表現が、チーム全体の雰囲気を左右する。

一人ひとりを理解する姿勢
選手それぞれの性格や状態に応じた声かけを丁寧に行い、信頼を深める。
個別に寄り添う対応が、共感を伴う関係性を育てる。

支え合う文化を築く
「困ったら声をかけよう」と日常的に呼びかけたことで、助け合いの風土が定着する。
共感に基づく働きかけが、支え合うチーム文化の土台となる。

共感をもとにしたリーダーシップは、勝てるだけでなく、信頼されるチームを育てる。

アドバイス

共感とリーダーシップは、決して別のものではありません。
むしろ、共感力をもつからこそ、真のリーダーシップが発揮されます。

仲間一人ひとりに寄り添い、声を聴き、状況に応じたサポートをすることが、チームの結束を強め、勝利を引き寄せるのです。リーダーであるかどうかに関係なく、共感の力でチームを導く存在を目指してください。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

目次