36-1:自己認識を深める

EQ(Emotional Intelligence Quotient:「心の知能指数」「感情の知性」)とは自身の感情の状態を把握し、コントロールした上で、周囲の人の気持ちにも働きかける力のこと 。

[36週]: [感情的知性(EQ)を高める]
・自己認識と感情のコントロール力を高めることで、プレッシャーの中でも冷静かつ安定したパフォーマンスを維持できる力を養う。
・共感力を育むことにより、チームの結束力を高め、信頼に基づいた良好な人間関係を築く基盤を形成する。
・感情的知性を高めることで、判断力・対話力・リーダーシップといった対人スキルを強化し、競技内外における長期的な成長へとつなげる。

36-1:自己認識を深める
自分の感情を正確に理解し、コントロールする力を養う。
試合や練習でどのような場面で感情が高ぶるのかを振り返る。
感情の起伏がパフォーマンスにどのような影響を与えるかを分析する。
日記をつけることで、自分の感情の傾向を把握する。
冷静な判断をするために、深呼吸やマインドフルネスを取り入れる。
自己認識を高めることで、感情に流されずに安定したプレーができるようになる。

「自己認識を深める」について考えます。
自己認識を高めることは、感情的知性を育む第一歩です。
自分がどのような状況でどんな感情を抱き、どのように反応するかを理解することで、冷静さを保ち、安定したプレーができるようになります。感情を客観視する力を身につけ、より成長できる選手を目指しましょう。

1.自分の感情を正確に理解し、コントロールする力を養う

感情の正体を明確に認識することにより、その影響に支配されず、自らの意志で行動を選択する能力が養われる。

練習前のイライラに気づく
授業でのストレスを引きずったまま練習に臨んでいたことに気づき、気持ちの切り替えや準備の仕方を見直すに至った。感情の連鎖を自覚し、行動を調整する姿勢が、自律の第一歩となる。

怒りの感情を言語化する
試合中の不満を漠然とした怒りとして放置せず、「悔しい」という具体的な言葉で認識し直し、次のプレーに向けた意欲へと切り替えることができた。感情の言語化が、行動変容のきっかけとなる。

自信喪失の背景を探る
繰り返すミスの原因を技術面だけでなく感情面にも求め、焦りや不安といった内面的要素の存在に自覚を持つに至った。内省的な気づきが、パフォーマンス改善への視野を広げる。

感情を明確に捉える力が、感情の奴隷でなく主体的なプレーヤーを育てる鍵となる。

2.試合や練習でどのような場面で感情が高ぶるのかを振り返る

具体的な状況を特定することで、感情のトリガーを理解し、対処法を事前に備えることが可能となる。

試合直前の極度の緊張
試合開始前に呼吸が浅くなる傾向があったが、ルーティンを導入することで落ち着きを得られるようになった。

練習中のミスによる苛立ち
同じミスを繰り返す場面で怒りが生じやすいため、意識的に一度間を置くことを習慣化した。

他者の指摘による感情変化
味方からの厳しい言葉に動揺する傾向に気づき、受け取り方を見直す姿勢が身につけた。

自分が反応しやすい場面を知ることが、冷静な判断力の強化につながる。

3.感情の起伏がパフォーマンスにどのような影響を与えるかを分析する

感情とパフォーマンスの関係を客観的に振り返ることで、感情管理の必要性と影響力を実感できる。

怒りが判断を鈍らせた事例
審判の判定に対して怒りを抑えきれず、次のプレー判断が遅れる場面を経験したため、以後は感情の制御を意識するよう準備する。

緊張が動きを硬直させた例
大舞台でのプレッシャーにより動作がぎこちなくなり、本来の力を発揮できなかったので、以後は緊張を受け入れる心構えを意識する。

ポジティブ感情による集中向上
チームの応援に背中を押され、リズムに乗って良いプレーを継続できた経験を通じて、感情が集中力を高めることを実感するようになった。

感情の波は避けられないが、その波の高さと影響を把握することで、安定したパフォーマンスが可能となる。

4.日記をつけることで、自分の感情の傾向を把握する

感情の記録は、日常的に自己を見つめる習慣となり、自分自身の理解を深める手助けとなる。

日々の感情の振れ幅を可視化
練習後に感情の強さを1〜5で記録することで、週ごとの傾向を把握できるようになる。

パフォーマンスとの相関を確認
気持ちが安定していた日のほうが成功率が高いことに気づき、感情と成果の関係を意識してみる。

ネガティブ感情の蓄積を防止
感情を書き出すことでモヤモヤを整理できるようになり、翌日の行動を前向きに起こせるようになる。

記録を習慣化することで、無意識の感情パターンを言語化し、対応力を育てることができる。

5.冷静な判断をするために、深呼吸やマインドフルネスを取り入れる

意図的なリラックス習慣は、感情の高ぶりを抑え、冷静な思考を取り戻すための有効な手段である。

プレー前の深呼吸ルーティン
試合前に3回深呼吸する習慣を身につけ、心を整えてからフィールドに立つよう心がける。

練習後のマインドフルネス
練習後に5分間呼吸に集中する時間を設けることで、感情をリセットできるようになる。

集中が途切れたときの切り替え
プレー中に集中が途切れた際、意識的に姿勢を正すことで再集中を図る。

冷静さを維持するための具体的な習慣が、EQ向上の確かな一歩となる。

6.自己認識を高めることで、感情に流されずに安定したプレーができるようになる

感情に気づき、それを受け入れたうえで対応を選べるようになることが、競技者としての成熟につながる。

焦らずに行動を選択
焦りを感じた場面でも深呼吸を挟んでからプレーを選択することで、冷静さを保てるようになる。

試合中の失敗を切り替える
ミスの後に感情を引きずらず、「次に集中しよう」と自分に声をかけて切り替えられるよう意識する。

感情の波を俯瞰する
試合全体を通して自身の気分の変化を意識し、感情の波に飲まれずにプレーを続けられるようになる。

自己認識の深さは、安定感とリーダーシップの源であり、日々の鍛錬に値する。

アドバイス

感情を理解し、受け入れ、それに適切に対応する力は、競技だけでなく人生全体においても重要なスキルです。
自己認識を深めることは、感情的知性を高めるための第一歩です。

感情を敵にせず、味方に変えることができる選手は、どんな状況でも安定した力を発揮できます。
毎日の小さな気づきを大切に、自分自身を知る努力を積み重ねていきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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