36-4:共感力を養う

EQ(Emotional Intelligence Quotient:「心の知能指数」「感情の知性」)とは自身の感情の状態を把握し、コントロールした上で、周囲の人の気持ちにも働きかける力のこと 。

[36週]: [感情的知性(EQ)を高める]
・自己認識と感情のコントロール力を高めることで、プレッシャーの中でも冷静かつ安定したパフォーマンスを維持できる力を養う。
・共感力を育むことにより、チームの結束力を高め、信頼に基づいた良好な人間関係を築く基盤を形成する。
・感情的知性を高めることで、判断力・対話力・リーダーシップといった対人スキルを強化し、競技内外における長期的な成長へとつなげる。

36-4:共感力を養う
他者の感情を理解し、チームの調和を促進する能力を高める。
チームメイトの表情や態度を観察し、気持ちを察する。
試合中にミスをした仲間に対して、励ましの言葉をかける。
意見が異なるときも、相手の立場を理解する努力をする。
共感を示すことで、チームの結束力が高まり、良い雰囲気が生まれる。
共感力のある選手は、リーダーとしての影響力も強まる。

「共感力を養う」について考えます。
共感力とは、他者の気持ちや立場を理解し、適切に行動する力です。スポーツの現場では、仲間の感情を察し、支え合うことがチーム力を高めます。相手の視点に立って考える習慣をつけることで、信頼関係が深まり、より一体感のあるチームづくりが可能になります。

1.他者の感情を理解し、チームの調和を促進する能力を高める

仲間の感情に敏感になることで、適切なタイミングでの声かけやサポートができ、チーム全体の調和を生む。

プレー後の表情に気づく
練習中の小さなミスで落ち込んだ表情を見逃さず、励ましの声をかける。

沈黙の意味を考える
ミーティングで発言しない仲間の気持ちを察し、後で個別に話を聞いた。

感情の変化を記録する
日々の練習でチームメイトの様子を観察し、変化をメモする習慣を始める。

他者の感情を理解する努力は、信頼関係の土台となり、チームの安定と成果につながる。

2.チームメイトの表情や態度を観察し、気持ちを察する

言葉だけでなく、非言語的なサインにも注意を向けることで、より深く相手を理解する力が養われる。

練習中の動きに注目
普段よりミスが多い仲間の様子を見て、体調や精神面を気にかける。

声のトーンの変化を感じ取る
発言のトーンが沈んでいる仲間に対して、後からフォローの声をかける。

視線の動きから察知
アイコンタクトが少なくなった仲間に気づき、休憩中に話を聞いてみる。

観察力を高めることで、見えない感情の動きにも気づき、早めの対応が可能となる。

3.試合中にミスをした仲間に対して、励ましの言葉をかける

ミスを責めるのではなく、気持ちを立て直す言葉をかけることで、再び挑む勇気を与えることができる。

即座に励ます
ミス直後に「大丈夫、切り替えていこう」とすぐに声をかける。

ポジティブな実例を示す
「あのときも立て直せたよな」と過去の成功を思い出させる。

ミスを共有する
「自分もさっき同じことしたよ」と共感を示して仲間の気持ちを軽くする。

励ましの言葉は、失敗からの回復力を高め、チーム全体の雰囲気を前向きにする。

4.意見が異なるときも、相手の立場を理解する努力をする

意見の違いがある中でも、相手の背景や意図を理解する姿勢が、円滑な人間関係を築く要因となる。

一度受け止めてから返す
意見に反対する前に「そういう考え方もあるね」と相手の話を受け止める。

立場を想像してみる
リーダーの判断に疑問を感じたとき、チーム全体を見ての判断だと察する。

丁寧な聞き方を心がける
相手の話を遮らず、最後まで聞いたうえで自分の意見を伝える。

相手の立場を尊重することで、対話が成立し、信頼関係を損なわずに意見交換が可能となる。

5.共感を示すことで、チームの結束力が高まり、良い雰囲気が生まれる

共感が生む安心感が、チーム全体のつながりとパフォーマンス向上をもたらす。

勝利を喜び合う
タッチダウンが決まった瞬間に仲間と抱き合い、感情を共有する。

敗北の悔しさも共にする
試合後、涙を流す仲間に寄り添い、「一緒に頑張ったよな」と声をかける。

小さな成果も祝う
練習で初めて成功した仲間に「ナイスプレー」とすぐに声をかける。

共感によって得られる一体感が、競技力以上のチームの強さを生み出す原動力となる。

6.共感力のある選手は、リーダーとしての影響力も強まる

共感力を持つ選手は、周囲の信頼を集め、自然と人を引きつける存在になる。

若手を気遣う姿勢
新人が緊張している様子を見て、積極的に話しかけて場を和ませる。

試合外でのサポート
課題に悩む仲間に練習後残って付き合い、「一人じゃない」と感じさせる。

日常の会話から信頼を築く
雑談の中で相手の悩みに気づき、真剣に話を聞くことで信頼を深める。

共感力に支えられたリーダーシップは、表面的な命令ではなく、信頼に基づく影響力を発揮する。

アドバイス

共感力は、他者と信頼関係を築き、チーム全体を前向きに導くために欠かせない力です。
仲間の気持ちを理解しようとする姿勢が、安心感や連帯感を生み出します。

各自の共感ある言動は、周囲の人の力を引き出し、自然とチームを良い方向へ導く影響力となります。
日々の小さな気づきや言葉が、強いチームを形づくる礎となるのです。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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