36-5:対人関係を向上させる

EQ(Emotional Intelligence Quotient:「心の知能指数」「感情の知性」)とは自身の感情の状態を把握し、コントロールした上で、周囲の人の気持ちにも働きかける力のこと 。

[36週]: [感情的知性(EQ)を高める]
・自己認識と感情のコントロール力を高めることで、プレッシャーの中でも冷静かつ安定したパフォーマンスを維持できる力を養う。
・共感力を育むことにより、チームの結束力を高め、信頼に基づいた良好な人間関係を築く基盤を形成する。
・感情的知性を高めることで、判断力・対話力・リーダーシップといった対人スキルを強化し、競技内外における長期的な成長へとつなげる。

36-5:対人関係を向上させる
良好な人間関係を築くためのコミュニケーションスキルを学ぶ。
試合中や練習で、チームメイトと積極的にコミュニケーションを取る。
フィードバックを受けるとき、感情的にならず冷静に受け止める。
コーチやチームメイトとの信頼関係を深めるために、感謝を伝える。
相手の意見を尊重し、チームの意思決定に貢献する。
対人スキルを高めることで、競技だけでなく、社会でも活かせる能力となる。

「対人関係を向上させる」ことを考えます。
対人関係を向上させるには、他者との関係を丁寧に築く意識が必要です。スポーツの現場では、信頼し合える関係がチーム力の要となります。冷静な対応力と感謝を伝える姿勢、そして相手を尊重する態度を持つことで、競技の枠を超えた人間的成長へとつながります。

1.良好な人間関係を築くためのコミュニケーションスキルを学ぶ

円滑な人間関係の基本は、相手の話をよく聞き、自分の思いも正確に伝える双方向のコミュニケーションにある。

アイコンタクトを意識する
会話中に相手の目を見ることで、誠意が伝わりやすくなる。

感情を伝える表現を使う
「嬉しい」「悔しい」などの感情を言葉にすることで、誤解が減る。

質問で理解を深める
相手の発言に「それはどういう意味?」と尋ねることで対話が深まる。

伝える力と受け止める力を両立させることが、健全な関係づくりの基盤となる。

2.試合中や練習で、チームメイトと積極的にコミュニケーションを取る

プレー中の連携や練習の質を高めるには、状況を共有し合う積極的な声かけが重要である。

プレースナップ前の確認
ポジションごとに声をかけ合い、直前の動きを確認し合う。

練習後のフィードバック共有
「さっきのプレー、こうした方がよかったかも」と意見交換をする。

エールの言葉を日常に
練習中に「ナイス!」と声をかけて士気を高める習慣づける。

些細なやり取りの積み重ねが、チームの連携と信頼を深める大きな力となる。

3.フィードバックを受けるとき、感情的にならず冷静に受け止める

指摘や助言を素直に受け入れる姿勢が、自身の成長と対人関係の円滑化につながる。

まず「ありがとう」と返す
助言に対して即座に感謝を伝えることで、関係が良好に保たれる。

感情が高ぶったら一呼吸置く
納得できない指摘にも、その場では反論せずに冷静に聞き取る。

後から振り返って考える
練習後に指摘内容を反芻し、自分の改善点を整理する。

受け止め方ひとつで、成長の糧にもなれば、関係の綻びにもなることを理解すべきである。

4.コーチやチームメイトとの信頼関係を深めるために、感謝を伝える

信頼を築く基本は、当たり前のことにも「ありがとう」を忘れない姿勢にある。

練習後のひと言
「今日もありがとうございます」と毎回コーチに伝える習慣をつける。

支えてくれる裏方への感謝
マネージャーに「いつも準備ありがとう」と声をかける。

仲間のプレーを称える
「あのブロック、助かったよ」と具体的に感謝を伝える。

感謝の言葉は、人と人のつながりを強め、信頼の連鎖を生み出す原動力である。

5.相手の意見を尊重し、チームの意思決定に貢献する

多様な意見を尊重し合いながら、建設的な議論を行うことで、よりよい意思決定が実現する。

賛成・反対を分けて伝える
「その案には賛成。でもこの点は改善できるかも」という伝え方を工夫する。

声が小さい意見にも耳を傾ける
普段あまり発言しない仲間の意見を引き出すよう心がける。

自分の意見を簡潔に述べる
感情に流されず、「私はこう思う」と明確に発言する。

相手の意見を大切にすることで、自分の意見も尊重されるという信頼の循環が生まれる。

6.対人スキルを高めることで、競技だけでなく、社会でも活かせる能力となる

対人関係の基本を学び実践することは、将来の社会人生活においても大きな財産となる。

初対面でも挨拶を忘れない
試合の相手チームにも笑顔で「よろしくお願いします」と伝える。

感情を抑えて話す練習
議論の場でも冷静に話すことで、信頼を得られることを体感する。

人間関係を広げる力
OB会などで積極的に挨拶し、関係を築く機会を増やす。

スポーツで培った対人スキルは、生涯にわたって活用できる人間力として身につくものである。

アドバイス

対人関係の向上は、競技力の向上だけでなく、人としての成熟にもつながります。
コミュニケーションの質が信頼を生み、感情の安定が協調を促します。

各自の誠実な言動は、周囲に安心感と信頼を与え、より強固なチームづくりに寄与するのです。
積極的な関わりと感謝を忘れずに、周囲とともに成長していきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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