50-4:コミュニケーションを活かした指導

[50週]: [次世代への指導力を考える]
・次世代の育成を通じて、自らの知識と経験を深め、リーダーシップを高める力を養う。
・後輩を支え導くことが、チームの未来を築く重要な責任であることを自覚する。
・短期的な成果にとらわれず、長期的視点で次世代の成長に寄与する姿勢を身につける。

50-4:コミュニケーションを活かした指導
指導の際に、相手の話をしっかりと聞く姿勢を持つことを学ぶ。
自分の意見を押し付けるのではなく、相手が成長できるよう導く。
指導の際に、質問を活用し、後輩の考える力を伸ばす。
信頼関係を築くことが、効果的な指導につながることを理解する。
チームメイトとの対話を通じて、指導の仕方を互いに学び合う。
後輩が安心して質問できる環境を作ることの重要性を意識する。

「コミュニケーションを活かした指導」について考えます。
指導力を高めるうえで、相手との信頼関係を築くコミュニケーションは欠かせません。
言葉の選び方や表情、聴く姿勢ひとつで相手の成長を促すことも、萎縮させることもあります。
相手の気持ちや理解度に寄り添いながら、互いに学び合うコミュニケーションを通じた指導方法を考えていきましょう。

1.指導の際に、相手の話をしっかりと聞く姿勢を持つことを学ぶ

指導者が真摯に耳を傾けることで、相手の信頼を得やすくなる。
話を遮らず、相手の思いや考えを理解しようとする姿勢が基本である。

練習後の1対1ミーティングで沈黙を尊重する
後輩が考えて言葉を選ぶ時間を待ち、話す力と自己表現力を育てる。

自分の意見よりも相手の感想を先に尋ねる
「今どう思った?」と問いかけることで、対話の主導権を相手に渡す。

ノートを取りながら聞く習慣を身につける
相手の発言を記録する姿勢は、尊重と真剣さを伝える。

傾聴は信頼の入り口である。
相手の声に耳を傾けることで、指導の質が飛躍的に高まる。

2.自分の意見を押し付けるのではなく、相手が成長できるよう導く

指導の本質は、相手の内側からの変化を促すことである。
強制ではなく、納得を引き出す工夫が求められる。

“君ならどうする?” と選択を委ねる
指導者が正解を与えるのではなく、考えるプロセスを与えることで成長を促す。

結論を急がずプロセスを共有する
「どうしてそう思ったのか」を丁寧に問うことで、理解を深め合える。

共通のゴールを確認する対話を重ねる
指導が目的の共有から始まることで、押し付けでなく導きとなる。

指導とは一方的な指示ではない。
相手の主体性を引き出す問いかけが成長を導く鍵である。

3.指導の際に、質問を活用し、後輩の考える力を伸ばす

良い質問は、後輩の思考を深め、自らの成長を促す。
問いかけは知識の伝達よりも、気づきを与える手段である。

“今日は何を学んだ?” と振り返りを促す
練習後に自分の成長点を言語化させることで、内省を習慣づける。

“もし違う選択をするとしたら?” と視点を広げる
判断の幅を広げ、状況判断力を高める助けとなる。

“なぜこの行動を選んだのか?” を深堀りする
行動の背景にある価値観や思考を明らかにし、自覚的な成長へと導く。

質問は指導の武器である。
問いを通して後輩に考えさせることで、学びの主体者へと成長させる。

4.信頼関係を築くことが、効果的な指導につながることを理解する

信頼があることで、後輩は指導を素直に受け入れやすくなる。
心を開かせる関係構築が、成長の土台となる。

プライベートな悩みにも耳を傾ける
競技外の話題にも丁寧に接することで、安心感と信頼感が生まれる。

小さな変化にも気づいて声をかける
「今日は元気ないな、大丈夫か?」の一言が絆を深める。

感謝やねぎらいを欠かさず伝える
「ありがとう」「よく頑張ってる」の言葉が信頼を積み上げる。

信頼は指導の土台である。
互いに心を開くことで、効果的な関係性が築かれる。

5.チームメイトとの対話を通じて、指導の仕方を互いに学び合う

指導は一人で学ぶものではない。
チーム内での経験共有や対話を通じて、互いの指導力を高め合うことができる。

ロールプレイで指導練習を行う
実践的な場面を模擬し、フィードバックを通じて指導技術を学び合う。

チーム内で「指導に関する振り返り会」を開催する
成功例や難しかった場面を共有し、指導力向上の機会とする。

異なる学年での意見交換会を設ける
多様な視点を取り入れ、指導アプローチに幅を持たせる。

学び合いの場が指導者としての成長を促す。
対話の中に次の指導のヒントがある。

6.後輩が安心して質問できる環境を作ることの重要性を意識する

後輩が躊躇なく質問できる空気は、学習効率と精神的安定を高める。
環境整備は指導の責任でもある。

質問を歓迎する姿勢を日常から示す
「何か聞きたいことある?」と常に扉を開いておく。

質問に対して丁寧なリアクションを心がける
「いい質問だね」と受け止めることで、質問のハードルが下がる。

他の前での質問も肯定的に扱う文化を作る
「誰かの質問はみんなの学び」と共有することで、安心感が生まれる。

安心して質問できる環境が、後輩の成長を後押しする。
雰囲気づくりもまた、指導の技術である。

アドバイス

指導は単なる言葉や技術の伝達ではなく、信頼を軸とした双方向の関係構築です。
相手を尊重し、聴く姿勢を持ち、問いかけを通じて思考を促すことが、指導の本質です。
また、後輩が不安や疑問を安心して口にできる環境を整えることも、各自の重要な役割です。
コミュニケーションを通じた指導力を磨き、共に成長する文化をチームの中に築いていきましょう。

この記事を書いた人

Matsuura Masahiko
Kansai University
KAISERS Football Team
LifeSkills 365 for All Kaisers related persons.

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